こんばんは。主宰です。
私の担当している授業で、生物専攻の受講生たちに開講している実験科目があります。担当している授業回ではこれが最終回ですが、受講生たちが研究の動機・背景を踏まえて目的・課題・仮説を設定し、その目的・課題を達成できる方法を考案して実験を行うという授業を行っています。受講生たちは3回生なので、半年後には卒業研究を開始するので、その練習みたいなものです。
先日に準備した実験機材・予備実験を経て、授業開始と共に実験を始めます。何回も検討を重ねたので、私は何も指示しなくとも自分たちで作業を進めてくれます。この自由課題実験という授業内容を通して、受講生の様々な能力(責任感・計画力・創造力・コミュニケーション能力・役割分担)は随分と高まっているとおもいます。
アサリの濾過速度を測定するというアプローチは一緒ですが、各班の設定した目的・課題はなかなかおもしろいです。
この班は、明状態・暗状態では濾過速度が変わるかどうか調べるという実験。
こちらは、アサリの個体数密度で濾過速度が変わるかどうかを調べる実験。
これは、アサリの飼育温度が濾過速度にどのような影響を与えるかを調べる実験。
この班では、アサリに刺激を与えておいて、その後濾過速度にどのような影響を与えるかを調べる実験。
この班は、銅・鉛という金属がアサリの濾過速度にどのような影響を与えるか調べたものです。
いずれの班でも、実験結果がアサリの資源変動や増養殖に対してどのように貢献できるかを設定してあり、限られた時間での実験ではありますが、本格的に進めれば面白い研究内容にもなるとおもいます。教員として面白いと感じているのは、実験で得られたデータをどのように解析して結果をどのように解釈するかということです。レポート提出もさせますが、この授業内で実験結果を口頭発表させて、みんなで議論する時間もとっています。
最近の学生さんたちは、真摯に実験をやってくれるし、コミュニケーションをとりながら議論もしっかりとしてくれて、教員としても授業のやりがいがあります。今回も、面白い発表になることを期待しています。