流れ藻観測+ブルーム観測:その4 | COPE (KU Plankton Lab)

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こんばんは。主宰です。

 

2月に企画された、流れ藻観測+ブルーム観測の最終回です。前期個別学力試験があったので、この試験日を避けて前後に観測をしました。ここでは、後半戦について報告します。

流れ藻観測は、船橋(ブリッジ)で目視でします。モジャコ(ブリ類養殖の種苗となるブリ・カンパチ稚魚)が随伴する流れ藻や漂流物を探すのが目的です。この時期、あまり流れ藻は北部薩南海域にやってこないのですが、わずかに大隅海域でみられました。水産学部で数値計算をしている結果でも、大隅海域にわずかに流れ藻が来遊するようになっており、数値計算が観測とも整合的であることが確かめられました。この観測では、イルカも数頭みられたとのことで、初めて流れ藻観測に参加した学生は楽しそうにやってました。

ブルーム観測では、いろいろな生物標本を採取します。これらの中でも、回遊性浮魚類の仔魚は主な対象であり、このブルーム観測ではたいへん大切な標本となります。分布や現存量の評価だけでなく、成長・生残・生理活性なども解析します。画像にあるように、この時期にはたくさんの植物プランクトン(主に珪藻類)が繁茂するので、標本は野菜のポタージュスープみたいな感じになります。この中からカイアシ類よりも小さな仔魚を探すのはたいへんですが、ブルーム観測に参加した学生さんたちは一生懸命集めてくれました。長年ブルーム観測を継続してきて、一昨年初めてマイワシの仔魚がみつかったのですが、今年もマイワシの仔魚らしきものが見つかりました。我々の観測では1970年代から80年代にかけて認められた資源変動・魚種交代のようなものがみられており、今後もどのように変化するのかがとても楽しみです。もしかすると、北部薩南海域は日本だけでなく世界の水産海洋学において非常に重要な海域かもしれません。

南星丸はさほど大きな船舶ではないので、そこそこ揺れます。ですが、こうやって余暇の時間もパソコンをみながら研究データをまとめており、配属された学生さんたちを誇らしくおもいます。

さて、この乗船中には司厨長がすごく頑張ってくれて、新作・トライアルなものとか定番とか、毎回の食事が楽しみになるものがたくさん出ました。最終日に「流れ藻観測+ブルーム観測におけるベストオブ賄いは?」という質問をしました。上図がその結果です。

他方、練習船で提供される食事はたいへん豪華で美味しいことをこのブログにて紹介してきましたが、この乗船期間中に「インスタ」やったら?と若者からそそのかされて、練習船の食事などを別途インスタでも紹介することにしました。

#水産学部

#鹿児島グルメ

で見ることができます。興味があったらどうぞみてください。ただ、ブログもインスタもとやることが増えてしまい、義務感が強くて若干疲れ始めています。インスタは若者たちにもアップデートしてもらうことにしています。地域のみなさんに水産学部に対して興味をもってもらったり、水産学部生にはここで紹介する食事を体験してもらったり、卒業・修了したOB・OGのみなさんには懐かしんでもらったり、あるいは何も知らない人が鹿児島には美味しそうなものがたくさんあるなぁと勘違いしてもらったりなど、そういう機会になればいいなとおもいます。

 

とりあえず、流れ藻観測+ブルーム観測は終了。みなさん、どうもお疲れさまでした。3月にはまたよろしくお願いします。