こんばんは。主宰です。
続いて、第3弾です。
昨年から、この学会を主催している国際組織の副委員長を担当しているので、学会期間中は何かとやることが多いです。口頭発表・ポスター発表も若手研究者の採点業務があるので、関心のある研究について覗いてみることもできないことがあります。ただ、画像解析に関する研究発表をいくつかみることができたので、そちらの備忘録を兼ねて報告します。
こちらは、水産研究所のチームが研究している内容です。適切かつ可能な資源管理を目指すため、漁獲した魚類の水揚げ時に画像撮影・解析し、どのような魚類がどれくらいの量漁獲されたかを自動化するシステム開発とその結果についてご紹介がありました。今、鹿児島大学水産学部・工学部でも同様なプロジェクトがありますが、こちらは今年度内にでも実装化されるとのことでした。
こちらは、北海道の水産試験場に所属する有馬さんの研究で、温暖化に伴い優占するカイアシ類とマイワシの栄養状態が強く関係しあっていることを報告なさいました。彼は、この春にオーストラリア・ホバートでの国際学会でも発表しており、水産試験場の技術職員が活発に発表されていることに驚きました。私の研究室の後輩にあたるかたで、私としてはとても誇らしいです。
こちらは、アラスカ大学のホプクロフト教授の研究で、曳航式ネットにカメラを搭載し、オキアミなどの大型動物プランクトンだけでなく仔魚も撮影し、これを画像解析することで、現存量を把握しようというものでした。曳航式ネット・画像システムはかなり大型で、撮影された画像も相当な容量になるようでしたが、既に実用化段階にあって、海外では画像解析によるプランクトン研究が盛んになっていること、このような画像撮影・解析技術が普通になるだろうという感じがしました。
こちらは、招聘講演をされたICES Working Group of Zooplankton Ecologyの作業部会長をされたピトワ博士の研究で、民間船に連続画像撮影システムを搭載し、メソ動物プランクトン・植物プランクトンを撮影して画像解析し、分類群組成や現存量をリアルタイムで評価しようとするものでした。画像解析は機械学習させるので時間がかかるため、2段階でデータ解析するようになっており、粗い品質でもよいがリアルタイムでデータが欲しいというものと、機械学習させて蓄積していく高品質のデータを作成しているようでした。データを蓄積していく仕組みについてもよく考えられており、船舶観測でのプランクトン曳網による研究は今後なくなるかもしれないと感じたほどです。ですが、講演の最後にプランクトンネット標本の重要性についてもきちんとコメントがあり、いろいろと考えさせられる示唆に富むご講演でした。
これらのご研究が紹介された後、みんなで食事にいくとのことだったのですが、私は会議の議事録まとめがあったので遠慮させてもらいました。研究室の学生たちは一緒に夕飯をいかが?とのことだったので、一宮さんを誘って一緒にコンドミニアムでたべることにしました。
冷蔵庫にあるものでいい加減な飯を作ってふるまいましたが、これでよかったかどうか。ただ、この日は私の誕生日だったのでみなさんがお祝いをしてくれました。
こちらは、どこからか仕入れてきたアップルパイとどこからか仕入れて来てくれたマンゴー。オーブンで焼いてくれたんですかね。温かくて甘くてとても美味しかったです。海外での学会参加中にお祝いしてくれるなんて、有難い限りです。感謝感激、ありがとう!明日からも頑張る!