こんにちは。主宰です。
ネタが少なくなってきましたが、まだ乗船の報告です。
この海洋観測には他大学からも科目履修生として乗船しますが、この観測において研究上のコラボレーションをしたいという依頼が琉球大学の学生さんからありました。フィリピンから留学されているバデスさんは、環境DNAから魚類を検出して生物地理分布を調べているそうです。外洋域で環境DNAサンプルを採取することは滅多にない機会なので、ぜひ採取したいとのこと。そこで、東シナ海における観測海域の他、時化のために回避した九州西方海域、悪海況のために早くに戻ってきた鹿児島湾内でサンプル採取することにしました。
これがサンプル採取の様子。琉球大から参加した菅原さん、うちのまあくんも加わり、一緒にサンプル採取しました。検出したい生物群以外の遺伝子が混入(コンタミネーション)しないように、何回も手袋を交換したり次亜塩素酸で洗浄したりします。私としても、たいへん勉強になりました。サンプル採取した海域間では魚類群集が大きく異なるので、面白い結果が出るとおもいます。
作業後の昼飯はオムライス。サンプリングがうまくいったので格別でした。練習船には数十人も乗船していますが、1つ1つ丁寧に卵でくるんでオムライスを作ってくれるのだから、有難いことです。
鹿児島のほうへ戻ってくると、何だか季節が進んだみたいで寒かったです。この時期になると、九州周辺の海域では蜃気楼が見れます。黒潮の影響を受けるため九州周辺の海域では海水温が高いのですが、ユーラシア大陸上の冷たい大気がはりだしてくるので、海面近くでは温度差ができます。焼酎お湯割りの液面みたいな状態です。この温度差が蜃気楼を作ります。こういった珍しい現象も、船上だからこそ普通に見れる景色です。