こんにちは。主宰です。
だいぶご無沙汰しておりすみませんでした。今年度前期はコロナ禍のために教務が混乱してしまい、お盆休み中まで教務を残してしまいました。
お盆休みに入る前、南星丸乗船実習を実施しました。コロナウイルス感染を防止するため宿泊航海ができなかったのですが、水銀汚染に関する共同研究のために夜間の海洋観測と生物採取が必要だったので、日没後出港~日出前帰港という航海となりました。私の担当する講義では何回も紹介していますが、海洋では夜間に表層に浮上する生物群が多くあり、動物プランクトンやマイクロネクトンなどでは典型的です。日中は視覚捕食者を回避して低水温環境下で代謝エネルギーを抑制するため深層に滞在しているのですが、夜間になるとこれらが浮上して摂餌活動を始めます。このため、船舶観測では夜間ほど多様な生物群集の活発な活動を観察することができます。
鹿児島湾では夏期になると深層で休眠しているらしいカイアシ類がいるのですが、これが本当に終日深層に滞在しているかどうかを確かめるために、夜間に鉛直区分採取できる観測機器を導入して動物プランクトンを採取しました。徹夜明けだったのでとても眠かったのですが、やはり夜間でも深層に滞在していることが分かり、休眠を確認することができました。また、深層で休眠するこのカイアシ類がどのような魚類の餌になっているのかを調べるため、トロールタイプのネットを曳網して魚類採取しました。ハダカイワシやエソなどの中深層性魚類が多く採取され、これらの生物群の多さを改めて認識しました。
私しかできない作業が多かったので、画像を撮影できませんでした。卒論生が撮影してくれたものがあるので、いくつかの画像を置いていきます。
鉛直区分採取するための観測機材(VMPS)を組み立てているところ。一度教えるとすぐに理解してくれたので、作業が楽になりました。
これからVMPSを投入するところ。海底付近まで降ろし、揚網中に電気信号を送信して網を閉じます。水温・塩分・クロロフィル濃度なども測定できるセンサーがついています。
マイクロネクトンや小型魚類を採取するLCネット。トロール網と同様に、船尾から降ろして斜行曳しながらこれら生物群を採取します。
全ての作業が終了した深夜1時頃から、釣りの好きな学生たちに魚を釣ってもらいました。マアジ、マサバ、タチウオがたくさん釣れて、学生たちは大満足だったようです。十分なサンプルを採取できたので、一部はおろして刺身で頂きました。
今回の夕飯メニュー暖かいものは暖かく、冷たいものは冷たくいただけるので、南星丸の食事はホントに楽しみです。今回もまた豪勢なメニューで、一杯やりたくなります。




