酵素活性分析 | COPE (KU Plankton Lab)

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絶滅危惧研究室の営みをつづるブログです

おはようございます。主宰です。
ここは「グルメレポートみたいになってきたぞ」とはたと気づき、大学らしいことも発信しないと思うこの頃です。今日は、私たちの研究室やっている酵素活性分析について少し書いておきます。
私たちが扱っている生物で代謝を調べるというのは、従来の方法論では高度な技能に加えて時間と労力がかかるのが難で、これを何とかしたいと思ってました。学生時代に分子生物学や生化学にすごく興味があったので、これと海洋学を融合した研究をいつかやりたいと思っていて、核酸や酵素活性を使った仕事に行きついたわけです。今やっているのは、動物プランクトンから抽出した酵素を基質と反応させ、タンパク質合成活性を測定するという簡単なものですが、実際やってみるとなかなかコツがいるものです。例えば、基質を入れた容器に酵素液を入れれば酵素反応が起こるのですが、容器内ではこれらの液体の混ざり具合が微妙に異なるのです。よく混ぜ混ぜしないと、液体が分離してしまい十分な反応が起こらないのです(上の画像は入れただけ、下の画像は混ぜ混ぜしたもの)。
それぞれの研究分野では、特有の感覚が必要です。私は野外調査も室内実験も行いますが、それぞれ別の感覚が必要になります。野外調査では隠れた現象を見抜く研ぎ澄まされた観察力が必要だと思いますし、室内実験ではレシピに従順だけどあちこちに気配りできる優しさみたいなものが必要だと思います。この仕事をするようになってから、私も少しは気配りができるようになったように感じています。
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