それぞれの1.17 | 財務救助犬の部屋

財務救助犬の部屋

お金で悩んでおられる方へ
 

20年以上前の話になる。

 

病院に出向していた時。

明け方に知らせがあった。

 

フライングです」

患者が飛び降りて

命を絶った。

 

1月17日の早朝。

 

神戸市出身で

実家が被災した身としては

特別な日である。

 

阪神淡路大震災から

4年経っていたか。

 

「偶然なのだろうか」

カルテや看護記録を見た。

わざわざ。

 

患者は病院を転々としていた。

そして

遡っていたら

神戸市内の病院に入院歴があった。

ちょうど震災の時期だった。

 

この日を最期と決めたのは

偶然ではなかったのか。

事実は分からない。

 

病院内では

話題にもならなかった。

敢えて

人には伝えなかったからだ。

 

彼が

震災の被害者であることは

間違いなさそうだ。

 

しかもその後

各地を転々としていて

当院に辿り着いたのだった。

 

今でも思い出すとやりきれない。

 

27年前のこの日

東京で震災を知った。

 

単身赴任中。

 

急いで岐阜県の自宅に戻り

翌日の早朝に車で出て

日付が変わる頃に実家に着いた。

 

被災してはいたが

皆無事だった。

 

喜び合った両親とも

既に鬼籍に入った。

 

ただ

今でも救急車のサイレン

耳の中に残っている。

 

おそらく生きている限り

聴こえてくるだろう。