野猫の眼

野猫の眼

悩むこと 腹の立つこと
 

「いろいろな音を出してみましょう」

 

そこまではよかった

 

 

 

子供の周囲には

様々な楽器が置いてある

 

 

たいていの子は

興味を持った楽器の鳴らせ方について

音楽家の教えを請おうとする

 

 

 

しかし子によっては

本来の鳴らせ方と全く別な方法を

取ろうとする

 

例えば

ハンドベルで

床を叩いたりする

 

これは

音楽家たちの許容範囲を

大きく逸脱する

 

 

ハンドベルを取り上げて

新聞紙を渡す

 

新聞紙をわしゃわしゃと

鳴らせるよう指導する

 

 

 

しかし

その子が取ったのは

新聞紙を破るという方法

 

 

 

そして

時間が来て

講習会は終了

 

 

 

「あの子に

楽器を丁寧に扱うよう

教えなければ」

 

振り返りの時間に

音楽家は言う

 

 

 

しかし

ハンドベルで床を叩いても

音は出る

 

もちろん

ハンドベルが本来奏でる音とは

異なるが

 

 

 

そして

その子は新聞を

丁寧に破いていた

 

破く時にも音は出る

 

 

講習会の参加者が

予想どおりの行動を取るとは

限らない

 

音楽家は学んだのだろうか