「週間少年マガジン」の創刊日は1959年3月26日らしい。
 年は違えど同日誕生日。
 表紙のグラビアは大相撲の朝潮太郎で、力士スタイル上半身は衣を纏っていないが、ビキニも着けていない。

それはさておき、

 明日の為に終電前に真っ当に帰ろうと改札を潜ると、1通のスタンプが届いた。




 これは、珍しく店内が空いているか、会ったら面白そうなお客が来ているけどメッセージするほどではないか、何にせよスタンプの通り様子を伺う時に来るやつだ。

 行くよ行きますよ、(呼ばれてるかどうか微妙だが)呼ばれりゃ行きますよ。
 戻った改札で「改札を潜ったら呼び出されちゃって」と言われたって知ったこっちゃっない駅員さんの快い対応に涙しつつ、大井新地「ビー玉」に向かう。

 扉を開けると、珍しくお客さんの人数は少ない。
 これは前者の方かと思いきや、女将びいちゃんが「あ、来た来た。誕生日おめでとう」

 …………そうだよな、誕生日なんだよ、あと30分で。
 そういうのもう忘れていたので、本当に驚く。
 そして、本当に嬉しいものである。

 迎えた午前0時。



 仕事で埋まっているこれからの週末、花見は出来ないものだと思っていた。
「(花束の)桜が蕾だったから、家で温めてから持ってきた」
 花好きびいちゃんならではの心遣いで、そこには可愛い桜が咲いている。

 汚れた物質界に肉体を持った誕生日は運勢的には最悪だなんて聞いたりするが、そんなもんはそんなもん界でそんなもんすればいい。
 おいらは元気もりもり。思いがけず最高の滑り出しとなった。





 びいちゃん、ありがとね。