西大井「とりいち」の冬の風物詩である「おでん」が始まった。



 おでん然り冷やし中華然り、このお店は、早めに始めて早めに終わる。
 今年は始まると同時に終わりも宣言している。
 お店の若旦那かずまささんからは、初日に来た常連さんに「今日からおでんが始まりましたよ。1月末で止めます」と注文前に告げられ、笑いを誘った。
 確かに言われるように100日弱、100回しかチャンスはないのだ。その内何回食べられると言うのだろう。



 なーんて考えながら、おいらは今期最初に食すお客となる。この、エセ江戸っ子気取りめ、と自身に思いながらも、おいらより先客1名がまだおでんを注文していなかったことに胸を撫で下ろす。


 とは言え、おでんの定番にはいかない。



 取っておいた昨年度の「雁木 純米あらばしり」

 おでんに合う。



 その日はSNSをチェックした常連たちで、始まりの祝杯を交わす。
 この日この時間、僕らの世界は確実に平和だ。


 ひと段落ついたところで、ぐんぐん群馬からサプライズがやってきた。
 僅かな時間を惜しんで、とりいちを楽しみに、おいらたちを楽しませにやってきてくれる。ホント、嬉しい。