240707(日)

当時は暴論とも言われたかもしれない。権力の圧力もかかったろう。

アメリカGHQの暗黒史のアンソロジーと言えなくもない。

古い本なので当時としては当たり前の言葉が突然出てくる。いわゆる筆が滑っている個所も多々あり、今の人間が見るとパソコンで単語を検索しながら読まないとなかなか理解できない。

 

 

戦後GHQが行った為政はすべて新米国家、植民地的に従順な国を作ること。当時はそこに横風のように入ってきた共産主義への対策にあった。中南米、アフリカ、中東でも大なり小なり同じことを行ってきた。

戦後日本はある意味壮大な実験場だったのだろう。新米国家を目指しながら途中から共産主義の防波堤となることを課せられる。この悲劇が数々の事件を呼んだと著者は言う。

それにしても縦割り主義でマッカーサーの下に何本もの部署があり、意見、立場の食い違いから派閥争いのような抗争が繰り返され、そのとばっちりを日本国民が受けた。

推論がほとんどなのですべてを真に受けることはできないにしろ、奴らは陰謀のプロ、闇社会の鬼。証拠を隠滅して真実を決して語ろうとしない。

数々の謀略はヒトラーや関東軍がやった自作自演の謀略と本質的には同じではないか。

いずれにしても権力は醜い。

権力の醜さを知るには好著。今後ニュースを見る視点が変わろうというものだ。

温故知新。おススメの一冊である。