240314(木)
捕り物帖でもない。推理小説でもない。正確には犯科帳でもないような気がする。
江戸庶民の暮らしと人情。生きていくことの大変さ、どうしようもない性。
それらが淡々として流れてくる。
「梅安」「雲霧仁左衛門」から巡り巡ってきたのは立場が違う取り締まる側から見た世界。
そこには広大な池波ワールドが広がる。
悪には悪の言い分があり、定めがある。善には善の……。
いや悪と善を区別すること自体が間違っているのだ。
「人は善をなしつつ、悪を成す」。これが池波先生の教えだ。
それが分かった今今度は長谷川平蔵の目を通してみた世の中、人を見ていきたい。
それは梅安さん、雲霧仁左衛門の目と寸分とも違わないのではないか、ということがよく分かった。
第二巻が楽しみ。
とうとう足を踏み入れてしまった。
もう後戻りはできない。
最終巻の24巻まで読むぞ。