240131(水)

ド・ゴールって何者? 勉強不足の私はずっと名前を知ってはいたもののなにも知ってはいなかった。

この本は出版界時代に大学出版部協会で慶応大学出版会が紹介していた本だ。

いつかは読まねばと思っていた。

むつかしい本かな、と思っていたが前半はスラスラ読めた。

しかし後半が大変であった。

 

シャルル・ドゴール

 

 

 

フランス人はプライドが高い。なのにラテン人気質なのか熱しやすく冷めやすい。いい加減なところもある。日本人と似ているといわれるがなるほどとも言える。

いったんデモやテロが横行すると瞬く間に広がる。一方すぐに厭戦気分にもなる。

気分屋さんなのかな。

これが芸術、食文化に多大な貢献をしていることも見逃せないが……。
かのフランス革命で世界に自由をもたらした先駆の国。

しかし第二次世界大戦前からだらしない厭戦気分、優柔不断。ただをこねた子のように問題を正視しなかった。衆寓政党の「船頭多くして舟山登る」的になってしまった第四共和制の限界。

ナチスの台頭、第二次世界大戦、フランス占領。

 

実は私はドゴールの出自を知らなかった。

正当な後継者、フランス代表なのか? という疑問があった。

英国に亡命し、米英の支援を得てフランスを開放。

しかし軍列割拠。レジスタンス派は戦後ソ連に被れていた。

 

核の傘。

日本だけかと思ったら欧州人も同じような劣等感をアメリカに対して持っていたんだね。

その中で弱小国となってしまったフランスを立て直した男。

アメリカの言いなりにはならない、という強い信念。

一応戦勝国でありながら実態は日本と同じ敗戦国並みの無残な国情、貧困。

独裁者になることなくギリギリの頑固さと信念でフランスとフランス人とフランス文化を愛した男。当時人口五千万人弱のフランス。意外に小さいのだ。

当時日本は八千万人。
 

賛否両論の男であるが最後に金を受け取らずきれいに生を全うした男。

本当の戦いは1960年代から。渦巻く国難を乗り越え、フランスを今の地位に引き上げた功績は大きいと思う。
彼がいなかったら今のフランスはない。

賛否両論はあるだろうが少なくともそれは言えると思う。

次はレジスタンスの雄の本、フランスのベトナム戦争の本、ホーチミンの本を読んでみたいと思う。