201128(土)夜

三十代後半。

麹町の出版社に勤めていた頃。校正の六十代の老人と仲良くなった。

飲んでいるときに「築地にアジフライがおいしい店があるよ」とか、気楽な仲だった。

その方が「関西の寿しは甘だれがかかっているから食えんね」と言ったことを今も覚えている。

確かに東京のタコの寿しには甘だれがかかっていない。げそ、うなぎ、アナゴじゃないとかかってない。

なんでやろ? と常々思っていた。

私が子供の頃から甘だれがかかっていた。

特に印象深いのは大阪、梅田の魚忠。

小学生の私は六皿食うのが精いっぱい。職人さんに「30皿食べたすごい人もいたよ」と言われて、大人ってすごいなあ、と無条件に尊敬したものだった。

当時の関西の大衆寿司は一人前3個。今の東京の1.5倍の量だったのだ。

千葉で寿司を食うとしたらスシローか、銚子丸。銚子丸は少し高いのでいつもスシローになる。

スシローは甘だれがカウンターに置いたあるから関西人でも安心できる。

ブリ、タイ、鰻、アナゴ、えんがわ、エビ……計10皿強。

 

「この辺で許しといたるわ」と吉本調の言葉を心の中でつぶやきつつ踵を返した。

今日は珍しくマグロも食った。

 

そっかー、今思いついた。

今度スシローで60個挑戦してみようかなあ。

関東だと30皿を食わないと関西の20皿にならないのか。

うーん、30皿は結構きついなあ、なんて思っている。