170529(月)

ロシアという国をもう少し知りたくて読んでみた。

映画になり映画音楽が有名。美しいメロディだ。映画はまだちゃんと観ていない。

 

 

残念ながら絶版。図書館で借りるしかないがほかの訳本は単行本は出ているようだ。

 

ロシアという国は広大すぎてロシア帝国も隅々までは管理が行き届いていなかったようだ。第一次世界大戦後ですら赤軍、白軍、緑軍? どこまでが軍隊でどこまでが盗賊匪賊かわからぬまま内戦につぐ内戦。国土は荒廃し、農民市民は右往左往。

列車は脱線したまま雪に埋もれ、町や村は焼き討ちされ荒廃したまんま。

まるで中世の中国に逆戻りしたような無法状態。

これがロシア革命の本当の姿なのかもしれない。

多民族が入り乱れ、群雄割拠。同国民内の虐殺は当たり前、ユダヤ人差別も露骨だったようだ。

そんななかでの妻子ある男と夫子ある女の悲恋の物語。幼馴染でもある二人。不倫といってしまうには余りにも二人の心は純粋だ。

歴史と政治権力、強引な共産主義という価値観への転換。

古きよきロシアを愛する詩人パステルナーク情緒あふれる描写が美しい。

軍事国家ソヴィエトの末裔という認識が強かったが、ロシアというのはどうやら私がイメージしていたのとは違う歴史を背負ってきた国。統治が行き届かないがゆえにかなり遅れた側面を持った国だったんだ。

狭い国土の日本人とは大幅に価値観が違うはずだ、と痛感したしだい。