それは大きな勘違いから始まった。

友人(=業界の先輩)が神保町三大半チャンラーメンの記事を投稿していたからだ。


今日の昼飯なに食べよっかなあ。

食いしん坊は珍しく持て余していた。

ネットで「神保町 ランチ」で検索しているとたいよう軒というのが出てきた。

九段下でバスを降りててくてく歩いてきたとき、「ここうまそうやなあ」と常々思っていたがいつも通るのは午前中ばかり。舌なめずりしながら角刈りの頭の後ろ髪?? をひっぱられる思いで通り過ぎていたことを思い出す。


おっし、ここだ!!


思い立ったらこのオッサン早い。ずくにてくてく駿河台から歩き出した。

神保町三大半チャンラーメン。シンプルラーメン、半チャンラーメン630円の伊峡を通過。

しょうゆ色濃い駄菓子のような半チャンラーメン750円のさぶちゃん通過。


そしてたどり着いたところは……。

たいよう軒。


わたしは三大半チャンラーメンをここだと勘違いしていたらしい。


ところが……。


ここの半チャンラーメンがイけるのである。750円。

ラーメンは東京シンプル味にちょいと油追加という昔ながらの味。きぬさやが入っているのが体に優しい。チャーシューは分厚いの2枚ぁーい。

これでチャーシューメンまであるんだから恐れ入る。


半チャーハン。

ヴォリュームたっぷり。最近すっかり小食なったおんちゃん(=土佐弁で「おっさん」の意)は完食できるかどうか、ちょいと心配になった。「半分に減らしてもらおうかなあ?」。

思えば若い頃はお腹を満たしたいがための半チャンラーメンだった。

でも最近は違う。ラーメンもチャーハンも一度に食いたいのだ。

だからハーフ&ハーフなんてのもこれからの高齢化社会あってもいいのではないか、とふと思ったりした。


でもこのチャーハンが絶品であった。普通の中華料理屋の王道を行く味。

神保町のシンプルチャーハンでは一番うまいのではという気がした。

神保町の数々の名店を凌駕しているともいえる。

卵とネギとチャーシュー。

さりげなくグリーンピースがうれしい。

チャーシューがここの売りなんだろうねえ。シンプル塩味とラーメンのだしが効いていてコクがある。


よく見ると専修大学の門の真ん前。

ここは学生さんの店なんだなあ。だからきぬさやが入ったりして優しいんだなあ。だから先ほどの老人メニューはいかんかなあ?

一時を超すと大学職員と思しきがやってきた。

大学のある街には優しいラーメン屋がある。早稲田のメルシーもそうだし。


これからは「神保町三大半チャンラーメン」と呼ばず、「四大半チャンラーメン」、もしくは「四天王」と呼ぼうと密かに思ったりしていた。


ボケかましの「ああ、勘違い」が功を奏すこともあるんだね。


そして近いうちに本来の目標だった成光に行ってみよう、ともふと思った。


チャンチャン♪