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こばごうのコレ切ってアレ食って

小林剛による天鳳名人戦自戦記など

第4節。今回のメンツと、前節までのポイントは

1位 小林 剛 +154

3位 石橋伸洋 +117

7位 多井隆晴 △134

8位 ASAPIN  △217


5節終了時に7・8位が敗退となるこの対局。

多井とASAPINは、今節と次節の半荘8回で、なんとかマイナスを

2桁まで持っていかなければ厳しいだろう。特にASAPINは、

いつもと違って、かなりトップ取りに重点を置いてくるはずである。


ただ、多井はまだ普通に打っても敗退ラインはクリアできるはずで、

むしろこの時点ではまだ優勝ラインを見ていたはずだ。


つまり、小林・石橋・多井は自分の優勝を考えて、小林・石橋に対しては

厳しく、ASAPINには甘く打つことになるだろう。


もちろん、強引に前に出てくるASAPINの打牌を利用することはあるだろうが。



そんな思惑で始まった1回戦。

石橋 68000

多井 39000

小林 12600

ASAPIN 400

という点差で迎えた南3局のことである。


順位降下の心配がほぼない石橋は、あとは点数をいかに稼ぐかだ。
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6巡目にピンフのみをテンパイ。待ちは悪くなく、変化を待つにしても

高くなるのはこばごうのコレ切ってアレ食ってこばごうのコレ切ってアレ食って くらいしかないので、もし点数を稼ぎたいなら、

即リーチのほうが得だろう。


ところが石橋はダマテンにし、すぐに400・700をツモアガった。




このアガリを見て、私はかなりの衝撃を受けた。


なぜか。




石橋は、400点持ちのASAPINを飛ばさないようにして、

オーラスの親をやらせたかったのだ!


400・700の手を、リーチで700・1300にしても、大したことはない。

それよりも、もしASAPINが私をまくれば、私は20000点の順位点を

失うことになるのだ。

もちろん、ASAPINからアガリ牌が出ていたら見逃していただろう。


この天鳳名人戦はまだ半分も経過していないのだが、優勝を目指した

条件戦は、もう始まっているのである。



そうして始まったオーラス。

私が3着キープを目指して仕掛けると、ASAPINもすぐに仕掛け返した。

捨牌を見るとホンイツかトイトイか。役牌絡みで、やや高くて遠そうな手か。


そこで多井にテンパイが入る。
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順位上昇の可能性はなく、待ちのこばごうのコレ切ってアレ食って もそれほど出やすいとは思えない。
普通はダマテンにするところだが、多井はリーチときた。


なぜか。


①ASAPINに対して切りづらい。

②もしASAPINが不要牌なら切ってくれる。

③小林を降ろして、3着キープを許さない。

④小林から出て裏ドラが乗ると、小林を100点差の4着に落とせる。


こういった理由だろうが、やはりここまでの持ちポイントが影響しているのは

間違いないだろう。


結果はASAPINの6000オールに!
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次局は石橋が軽く流し、

3人の思惑通り私は4着を押し付けられた。



この後は幸運に恵まれ、この節はプラスで終えることができたが、

条件戦を意識し始めた半荘といえるだろう。



4節終了時。


1   198.0  12.38  16  7/ 4/ 2/ 3 2.06 Ⓟ小林剛
2   166.0  10.38  16  7/ 1/ 5/ 3 2.25 Ⓟ石橋伸洋
3    99.0   6.19  16  3/ 7/ 4/ 2 2.31 Ⓢ福地誠
4    46.0   2.88  16  6/ 2/ 2/ 6 2.50 Ⓟ鈴木たろう
5     5.0   0.31  16  3/ 6/ 4/ 3 2.44 Ⓟ須田良規
6   -70.0  -4.37  16  3/ 4/ 5/ 4 2.63 (≧▽≦)
7  -149.0  -9.31  16  2/ 5/ 3/ 6 2.81 Ⓟ多井隆晴
8  -295.0 -18.44  16  1/ 3/ 7/ 5 3.00 ASAPIN


第一期天鳳名人戦、優勝しました!


たくさんのご視聴・ご声援ありがとうございました!!



最終成績。


小林 剛  289

鈴木たろう 279

福地 誠  170

(≧▽≦) 136


とりあえずは報告まで。


細かい局面の話はまた今度書きます。

決勝最終戦ってのは、何度やっても痺れるなあ。。。



福地さんの生ダンスも堪能しました(*^-^*)

ついに最終日、あと4回。


1 小林 剛  302

2 福地 誠  282

3 鈴木たろう 275

4 (≧▽≦)  15


1節からずっとリードしてきたのだが、ついに3人がほぼ並んでしまった。

この点差というのは、1着順違えばほぼ逆転する点差で、

順位点が同じだった場合だけ、小林優勝になることが多いだろう。

(≧▽≦)は6万点の4連勝で優勝だが、まあ普通に打ってくれるかな。


優勝確率は、小林35・福地32・たろう32くらいか。



今日までにこの自戦記を仕上げるつもりだったのに、3節までしか

終わらなくてすいません。


決勝終わったら徐々に仕上げていきます(・∀・)




決勝はまもなく、20時から!見てくださいね~


放送終了直前に何かが・・・!?

鈴木たろう。


初めて存在を知ったのはかなり昔、高校を卒業したばかりの頃。

同じ麻雀店に通っていて、会ったこともないのに名前と評判だけは聞いていた。



その後、各種対局で同卓すること多数。さらに麻雀誌で一緒に連載を持つなどし、

いつの間にか知り合ってから17年もの月日が経っている。


所属団体は違っても、今回のメンツの中で一番打ち筋がわかっている相手だ。


だが、その打ち筋は変幻自在。同卓していてなんともやりにくい相手でもある。



そのたろうの持ち味が存分に発揮されたのが、この日の初戦だった。


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クイタンの私が小考してこばごうのコレ切ってアレ食って を切った直後、上家から切られたこばごうのコレ切ってアレ食って

たろうはなんと大ミンカン!
私がチーをすると読んでの、いわゆる邪魔カンである。


ポンではない理由は、相手にプレッシャーをかけるためと、チーを阻止された

私とのアガリ競争ならば勝てるという読みからだろう。


それにしても・・・

役なしイーシャンテンからの大ミンカンとは。なんという自信だろうか。



これを見た私は動揺し、終盤に愚形テンパイを入れるがたろうに放銃してしまう。

まさにたろうの計算通りか。



その後3万点を上乗せしたたろうが、さらに2つ仕掛ける。
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それに対して上家の私が、たろうのこばごうのコレ切ってアレ食って 切りに合わせて

絞っていたこばごうのコレ切ってアレ食って を切ると、長考のあげくにチーの声が!?

そしてこばごうのコレ切ってアレ食って 切り。


これは、1翻アップのために、こばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って のノベタンから、こばごうのコレ切ってアレ食ってこばごうのコレ切ってアレ食って

タンキに変えたということなのだろう。たろうならこれくらいやってくるはず。

ところが次巡、なぜか手の内からこばごうのコレ切ってアレ食って (゜Д゜)!?


これはどういうことだ!?

限られた時間で、必死に読んで考えた結果は、
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不自由なこばごうのコレ切ってアレ食って タンキテンパイを嫌ってのこばごうのコレ切ってアレ食って 切り。

ところがそこにこばごうのコレ切ってアレ食って が打たれ、赤の1翻が手に入るならばと鳴いて

テンパイを取り、その後待ち変えをしたのだろう。


ということは、今はタンキ待ちのテンパイのはず・・・


実は、喰い替えができるルールだと勘違いして鳴いてしまっただけなのだが、

受ける側はそんなことはわかるはずもなく、対応せざるをえない。


それだけでなく、終始たろうへの違和感と戦う1日となった。



たろうはこの日の大暴れで最下位を脱出。

そのまま一気に駆け上がることになる。




3節終了時。


1   154.0  12.83  12  5/ 3/ 2/ 2 2.08 Ⓟ小林剛
2   124.0  10.33  12  2/ 6/ 4/ 0 2.17 Ⓢ福地誠
3   117.0   9.75  12  6/ 0/ 3/ 3 2.25 Ⓟ石橋伸洋
4    51.0   4.25  12  3/ 4/ 3/ 2 2.33 Ⓟ須田良規
5   -25.0  -2.08  12  3/ 3/ 2/ 4 2.58 (≧▽≦)
6   -70.0  -5.83  12  3/ 2/ 2/ 5 2.75 Ⓟ鈴木たろう
7  -134.0 -11.17  12  1/ 4/ 3/ 4 2.83 Ⓟ多井隆晴
8  -217.0 -18.08  12  1/ 2/ 5/ 4 3.00 ASAPIN

昨今の麻雀戦術は、ネットの普及もあり、飛躍的に進歩している。


特に以前と変わったのが、、シャンテン数が進む枚数をしっかり数え、

愚形でもいいから先制リーチを目指すことと、

少しでもアガリに近づくと見るや、かなり遠いところからでも仕掛けて

いくことであろうか。



それに対し、90年代前半に流行った「次手」という考え方があった。


これは、誰もがわかる当たり前の素直な打牌ではなく、敢えて違う牌を

切って、よりよい結果を求めるという考え方だった。


第2節からは、そんな選択を2つ紹介したい。


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この手牌で、上家からこばごうのコレ切ってアレ食って が出たところ。
素直にアガリに向かうなら、こばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って でチーしてこばごうのコレ切ってアレ食って 切りだ。

マンズをタンヤオ確定の2メンツに固定するのが普通だろう。


だが、それをわかっていながらあえてこばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って で鳴いてみた。

確かにこばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って を残せばそこで1メンツは確定するが、この部分が

急所になって困ることも多く、アガリ率がそれほど高くなるとは思えない。

しかもその場合は大抵、融通がきかない危険な牌姿になっている。


それに対してカンチャンで鳴いた場合は、後々切りづらくなる赤とドラを使い切り、

場合によっては、こばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って を切っているうちに手牌が変化して

こばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って が出て行く展開にも対応できる。


アガりやすさは多少落ちるかもしれないが、かなり安全な牌姿になっているのだ。



結果は、以下の状況でリーチがかかり、安全にオリ切ることができた。

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ちなみに私が仕掛けた同巡、上家の(≧▽≦)は7巡目にして受けに回っている。

恐ろしい手堅さだが、赤とドラを見せて最低3翻をアピールしてしまったために

予想外の効果をもたらしたということか。



続いてこの手牌。

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普通はこばごうのコレ切ってアレ食って 切り。

むしろそれしかないように思えるが、あえてこばごうのコレ切ってアレ食って を切ってみた。
この手の弱みは、ドラ筋のこばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って と、タンヤオを消すこばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って という
二度受けの部分だろう。


一刻も早くこの弱点を処理し、マンズかソーズで強い両面を作りたいという思いから

マンズだけではなくツモこばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って にも対応できるようにしたのだ。


次巡こばごうのコレ切ってアレ食って をツモり、こんな手牌に。
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さっきまでの余計な部分がなくなり、将来性のあるすっきりした手に

なっているではないか!来賀さんがその昔

『手牌13枚を埋めるだけの両面ターツ』と表現していたなあ。


結果はこばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って とツモってこばごうのコレ切ってアレ食って での出アガリ。

どちらにしても同じ最終形になっていたようだが、考えながらできた1局だった。



2節終了時。


1   157.0  19.63   8  4/ 2/ 1/ 1 1.88 Ⓟ小林剛
2    59.0   7.38   8  2/ 2/ 3/ 1 2.38 Ⓟ須田良規
3    56.0   7.00   8  1/ 4/ 3/ 0 2.25 Ⓢ福地誠
4    23.0   2.88   8  1/ 4/ 1/ 2 2.50 Ⓟ多井隆晴
5    15.0   1.88   8  3/ 1/ 2/ 2 2.38 (≧▽≦)
6   -11.0  -1.37   8  3/ 0/ 3/ 2 2.50 Ⓟ石橋伸洋
7  -137.0 -17.12   8  1/ 2/ 1/ 4 3.00 ASAPIN
8  -162.0 -20.25   8  1/ 1/ 2/ 4 3.13 Ⓟ鈴木たろう