ミューリーグ第4節 急戦 | こばごうのコレ切ってアレ食って

こばごうのコレ切ってアレ食って

小林剛による天鳳名人戦自戦記など

この手牌で、一番欲しい牌は何だろうか?

二萬三萬五萬五萬六萬六萬二筒二索二索三索三索四索四索 ドラ二筒

普通の状況なら五萬六萬。打点重視の人ならば二筒と答える人もいるだろう。

ただ、その3種類を合わせても、理想的なツモはそう多くはない。

これだけの手牌の割に、いいテンパイまでにはけっこう時間がかかるのだ。




では。



オーラスの3巡目で自分はトップめ。

900点差の2着がすでに横發發發 横三萬二萬四萬

と仕掛けていた場合はどうだろう。


アガリトップの人間が序盤から積極的に仕掛けるのは普通のこと

なので、テンパイしている可能性はそう高くはない。

3巡目と考えれば、ほぼノーテンと見るべき。


ただし、テンパイチャンスの少ないこちらの手よりはさすがには早そうで

このままではトップを逆転されてしまう可能性が高い。


となると、そのスピードに間に合わせるためにはこちらも仕掛けを

考えるべきだ。すると、最も鳴きたい牌は何だろうか?




正解は五萬

タンヤオ確定の四萬だと思う人も多いだろうが、四萬を鳴けたとしても、

待ちはど真ん中の並びシャンポン。アガれる確率はそう高くはない。


だが五萬を鳴けた場合はどうか。

こちらの目からは二萬2枚、三萬2枚、四萬1枚、五萬3枚が見え、

かなり四萬が余りやすい状況になっている。

しかも、二人の仕掛けを見ると、マンズの1~5あたりはもう

解消されてそうなので、誰からでも無警戒で出してもらえるのだ。

六萬なら微妙なところだが、五萬は絶対ポンである。



実戦ではその五萬が出てポン!ドラ切りでテンパイ。

オリ気味だった3着めからすぐに出て、無事トップになった。


メンゼンで行けば確実に役ありになる手牌を崩し、急いで片アガリの

テンパイを組み、2着めの仕掛けに対してドラを勝負する。

一般的にはオススメできないが、この点数状況・手牌ではアリだ。


頭でわかっていても、なかなか声をかけにくいところだが

この時はしっかり反応できてよかった。


ミューリーグ第4節終了時

藤原  健 +42.2

山本 裕司 +36.8

井出 洋介 +22.5

三原 孝博 +19.4

小林  剛  +1.7

武則 輝海 △35.0

高見沢治幸 △35.3

清水 英二 △54.3


今節の勝ち頭は武則だが、たったの+33.7。

トータルでも上下がぐっと詰まり、まだまだわからないなあ。