第2節。
結果から書くと、小林と渋川の大勝、ASAPINの大敗となった。
しかし、何を思いだそうとしても、牌譜を見ても、確たる勝因が思いつかない。
二人が見事な手作りをしたわけでも、針の穴を通すアガリをした
わけでもアガリ続けたわけでも、何かを読み切って放銃を回避した
わけでもない。
そこで、ふと目についた小林・渋川のデータを調べてみることにした。
4半荘で、ふたりとも11回リーチをかけて、アガったのも6回ずつ。
それ自体は普通の成功率だが、驚くべきはその内容だった。
小林 渋川
リーチ 11 11
アガリ 6 6
ロン 0 2
ツモ 6 4
裏ドラ 2 5
一発 1 3
高め 3 3
ふたりとも、リーチをかけた時点で確定していたものより、はるかに
多くの翻数を稼いでいたのがよくわかる。
各6回ずつのアガリで、小林は12翻、渋川は15翻も増えているのである。
たとえばこんなアガリ。
小林
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リーチツモ
ドラ
裏ドラ![]()
1300でもおかしくない手が7900に。
渋川
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リーチ一発ツモ
ドラ![]()
裏ドラ![]()
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こちらは3200の手が1翻余りの12000に!
これらは本人の実力との関係は薄く、偶然の意味合いが強いもの。
こんなアガリを次々とやられては、守備力の高いASAPINや多井でも
どうしようもないのだ。
もちろん麻雀とはこういうゲームではあるのは百も承知だが、
今節の小林を渋川は、特に偶然の恩恵を受けたといえるだろう。
逆に不幸なケースとしては、山に8枚残りの私の両面待ちリーチが、
追いつかれてシャンポン待ちに負けるということもあったのだが、
総じていい偶然のほうが多かったような気はする。
逆に本人の力ではどうしようもない目に遭い続けたのがASAPIN。
7100点下の多井の仕掛け。
この見え見えのホンイツに、トップめ小林が差し込んだのである。
順位点が大きいとはいえ、それなりに素点の意味もあるこのルール。
マンガンクラスの手には誰も差し込みたくはないのだが、
これは2着目のリーチを受けて仕方なくやったもの。
もし2着目にマンガンをツモられると、トップから落ちて34000点失う
ことになるので、それを避けたのだ。
直前の
にポンせず、
にラグがかかったので
そこらへんのシュンツを持っている可能性が高いことを考慮し、
トイトイがついてハネマンになることはないと読んでの差し込みである。
こんな珍しい差し込みのせいでASAPINが7万点の順位点を失って
しまうとは、同情せざるを得ない。
私のせいではあるが(笑)
さらに不幸が襲い掛かる。
小林の手牌。1巡目に上家から
が出たところだが、
私はこれをカンチャンでチーした。
ペンチャンで鳴いたほうが、残った形が真ん中に寄り柔軟性があるのだが
食いタンに見えることのほうを重視したのだ。
そして打牌は
。 2巡目は
をツモ切って、
3巡目のツモ
でテンパイ。その打牌は
。
そして直後にその
をつかんだのがASAPIN。
これにロンがかかり、まさか7700と言われてしまうとは(゜Д゜)!?
自分の身にこんな不幸が降りかからないことを願うのみである。
さて2節を終わって、成績はまたもや1位、ラスなしは継続中である。
相変わらず勝てる気はまったくしないのだが。
第三期天鳳名人戦 2節終了時
1 244.8 30.60 8 3/ 2/ 3/ 0 2.00 Ⓟ小林剛
2 172.0 21.50 8 3/ 3/ 1/ 1 2.00 Ⓢ福地誠
3 158.9 19.86 8 2/ 4/ 1/ 1 2.13 Ⓟ渋川難波
4 -17.7 -2.21 8 2/ 1/ 3/ 2 2.63 Ⓟ多井隆晴
5 -36.4 -4.55 8 1/ 3/ 2/ 2 2.63 Ⓟ石橋伸洋
6 -133.8 -16.73 8 2/ 2/ 1/ 3 2.63 独歩
7 -171.3 -21.41 8 1/ 1/ 3/ 3 3.00 びりびり☆ビリー
8 -216.5 -27.06 8 2/ 0/ 2/ 4 3.00 ASAPIN
