いやにかしこまった投稿ですみません。
仕事上、会社の株価評価を依頼されることがあります。
「M&Aや増資に伴って、買収(増資)金額を定めるための参考値を提供する」のが目的。
株価算定の手法は色々ありますが、成長曲線を描こうする会社では、ディスカウント・キャッシュ・フロー法(DCF)を加味するのが一般的。
DCFは、『今ある現金や資産』ではなく、『将来事業によって得られるであろう現金』で評価する方法。将来の現金なので、現在価値に割り引いて評価します。
いわば、会社を『出世払い』で評価してあげる方法な訳です。
ところが、『出世払い』がそうであるように、『将来事業によって得られるであろう現金』の推定は難しい。計画をどう描くかで、幾らでも価値が変わってしまう。
僕らが評価する上では、会社側から買い手(投資家)と合意した事業計画を入手し、それが正しいという前提で算定するのが一般的。それでも成長率が極端な場合など、不確実性が高いと思われる場合には、なんらかの形でリスクを加味したりします。
いずれにしても、ちょっとした数値の入れ替えで恣意的に評価額を動かせてしまうのが、DCFの良いところでもあり、悪いところでもあるわけです。
さて、今週世間を騒がせた、オリンパス社のごたごた。
焦点は、マイケル・ウッドフォード前社長の解任の是非から、同社が買収したジャイラス社及び国内3社の買収金額及びアドバイザリーフィーの是非に移っています。
このうちの1社、アルティス社の買収にあたって作成された株価算定書がこちら。
http://facta.co.jp/blog/archives/images/altis_Japanese.pdf
株価算定に興味がある人は、一読をお勧めします。
中身を見ると、売上6億、収益トントンの会社に335億円以上の株式価値をつけるために、色々と苦労した跡が見受けられます。
おそらく、買収金額が既に決まっていて、それに近い評価を出してほしいという依頼だったのでしょう。(株価算定で、先に評価額を決められるのは、算定に恣意性をもたらすのでイケナイ事ですが、程度の差こそあれ、よくある話ではあります)
売上6億の会社が4年後には190億超になるという夢のような事業計画。
それでも普通に割り引くと価値がでないので、不確実性は織り込んでいない上、2013年以降の評価に『工夫』が見られます。
ま、DCFの算定式自体に、つっこみどころは幾つかあります。そりゃそうですよね。売上6億の会社に335億の価値をつけるとかあり得ません。ちなみにダイエーの時価総額が365億。ダイエーの売上は9000億超。まだ赤字を出し続けているとはいえ、ほぼ変わらない評価額という。。。
ただ、僕らがびっくりしているのは、算定内容ではなく、この株価算定書が公開されてしまったという事実。
本来、株価算定書なるものは、買収金額の参考として作成されるものなので、このように公開されることはまずもってあり得ません。算定書を作成した井坂会計士も、想像すらしていなかったことでしょう。
僕らも、ついつい顧客の要望する算定額を確認してしまいがちですが、その妥当性を検証し、たとえ公表されたとしても言い逃れのできる評価算定を行わねばと、強く肝に命じました。
仕事上、会社の株価評価を依頼されることがあります。
「M&Aや増資に伴って、買収(増資)金額を定めるための参考値を提供する」のが目的。
株価算定の手法は色々ありますが、成長曲線を描こうする会社では、ディスカウント・キャッシュ・フロー法(DCF)を加味するのが一般的。
DCFは、『今ある現金や資産』ではなく、『将来事業によって得られるであろう現金』で評価する方法。将来の現金なので、現在価値に割り引いて評価します。
いわば、会社を『出世払い』で評価してあげる方法な訳です。
ところが、『出世払い』がそうであるように、『将来事業によって得られるであろう現金』の推定は難しい。計画をどう描くかで、幾らでも価値が変わってしまう。
僕らが評価する上では、会社側から買い手(投資家)と合意した事業計画を入手し、それが正しいという前提で算定するのが一般的。それでも成長率が極端な場合など、不確実性が高いと思われる場合には、なんらかの形でリスクを加味したりします。
いずれにしても、ちょっとした数値の入れ替えで恣意的に評価額を動かせてしまうのが、DCFの良いところでもあり、悪いところでもあるわけです。
さて、今週世間を騒がせた、オリンパス社のごたごた。
焦点は、マイケル・ウッドフォード前社長の解任の是非から、同社が買収したジャイラス社及び国内3社の買収金額及びアドバイザリーフィーの是非に移っています。
このうちの1社、アルティス社の買収にあたって作成された株価算定書がこちら。
http://facta.co.jp/blog/archives/images/altis_Japanese.pdf
株価算定に興味がある人は、一読をお勧めします。
中身を見ると、売上6億、収益トントンの会社に335億円以上の株式価値をつけるために、色々と苦労した跡が見受けられます。
おそらく、買収金額が既に決まっていて、それに近い評価を出してほしいという依頼だったのでしょう。(株価算定で、先に評価額を決められるのは、算定に恣意性をもたらすのでイケナイ事ですが、程度の差こそあれ、よくある話ではあります)
売上6億の会社が4年後には190億超になるという夢のような事業計画。
それでも普通に割り引くと価値がでないので、不確実性は織り込んでいない上、2013年以降の評価に『工夫』が見られます。
ま、DCFの算定式自体に、つっこみどころは幾つかあります。そりゃそうですよね。売上6億の会社に335億の価値をつけるとかあり得ません。ちなみにダイエーの時価総額が365億。ダイエーの売上は9000億超。まだ赤字を出し続けているとはいえ、ほぼ変わらない評価額という。。。
ただ、僕らがびっくりしているのは、算定内容ではなく、この株価算定書が公開されてしまったという事実。
本来、株価算定書なるものは、買収金額の参考として作成されるものなので、このように公開されることはまずもってあり得ません。算定書を作成した井坂会計士も、想像すらしていなかったことでしょう。
僕らも、ついつい顧客の要望する算定額を確認してしまいがちですが、その妥当性を検証し、たとえ公表されたとしても言い逃れのできる評価算定を行わねばと、強く肝に命じました。