旦那に作らせる簡単料理「カリフォルニア・ガールよりオイシイ」 | kobacabana 3.0

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日々に感じる雑感を
懸命にまとめています。

カツを揚げるのは面倒と思う向きもあるだろう。
 
キッチンが汚れるのを嫌う中流の白人アメリカ人は、
 
絶対というほど、揚げ物をしない。
 
大学3年の春休みにL.A.の郊外に3週間程ホームステイをしたが、
 
そこの家の奥さんも、先ず、揚げ物はやらなかった。
 
ご夫婦ともに肥っていて、
 
それでいて、ダイエットコークをよく飲んでいた。
 
料理は肉を焼いたりはするが味付けなどはされておらず、
 
ダイニングテーブルに何本も置かれた既製品のソースで喰え、
 
という仕来たりだった。
 
サラダも野菜をただ刻んだもので、ドレッシングも5種類以上既製品が用意された。
 
要は、味付けは各自好みでやれ、ということだ。
 
肉をスライスする電動カッターや、
 
野菜を刻む電動包丁みたいのもあった。
 
とにかく電動、既製品、で、味気ない食事に耐えるしかなかった。
 
 

 
 
朝は、ワッフルとかトースト、シリアル等で、
 
それも既製品であったり、スーパーで大量に買い込まれた工業品であり、
 
オレンジやグレープフルーツジュース、(ローファットと書かれていた)牛乳を飲んで、
 
美味しくない薄いコーヒーが用意された。
 
昼飯にはこれまた信じがたい品が紙袋の中に入っていた。
 
バナナかリンゴのいずれかがそのまま。
 
そしてスニッカーズ、一本。
 
たまにサンドイッチかとかぶりつくと、
 
単に、ピーナッツバターが塗ってあるだけのもの。
 
アメリカで体重が減った。
 
膚にシミが多いボインはやけに多いが、
 
食事が貧相だから、である。
 
 
 
 
ある日曜日は、最悪であった。
 
寝坊して起きたらダイニングテーブルに、
 
マックのレギュラーバーガー等が用意されていた。
 
ホストファミリーのパパさんはデイリーニュースなる新聞社勤務で、
 
家事は何一つできなかった。
 
まるで日本のエリートさんみたいなパパだった。
 
庶民になればなるほど、家長は名ばかりで、
 
私のように家事をする夫は多くなる。
 
昼は、家族での買い物のついでに寄った、ピザハウスであった。
 
朝もバンズ(小麦粉)、肉、ケチャップ味、朝からダイエットコーク、
 
昼も生地(小麦粉)、サラミ、ケチャップ味、昼も変わらずにダイエットコーク。
 
夜は、是非とも中華とか食べたいと心底期待していた。
 
 
 
 
夜が来た。夕方に家族でパターゴルフ場に行き、生まれて初めてゲートボールみたいな、
 
あのゲームを興じた。
 
そして車に乗り、外食するのか、と車窓からフリーウェイの流れる看板を眺めていた。
 
所々、中華系の文字が掛かれたネオンが見えて、
 
「ここにしない?陳さんの店、ってトコロ」と言いたいが我慢した。
 
帰宅して入浴をすることになり、髪を整え階下に降りると(二階にバスルーム)、
 
ダイニングテーブルに用意されていたのは、
 
なんと、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
タコス、だった。
 
 
トルティーヤは間違いなくトウモロコシのでなく、小麦粉のもので、
 
サルサソースにしたって、ベースはトマト。
 
挽肉が乗っていて、それをまた、ダイエットコークで胃に流す作業となった。
 
これが、バイデンが育ったアメリカの強烈な思い出である。
 
 
 
 
私の朝食は、平日でもかなりの頻度で、自作である。
 
前夜、都内のテラス席で会食であったため、
 
残り物のカツを発見し、すぐにタマネギを刻み、麺つゆに味醂を足し、
 
甘めに仕上げてみる。
 
 
 
別に天才でもないけれど、この程度なら、それこそ3分で出来る。
 
 
 
バイデンやその同胞たちは、
 
朝、昼、晩に、違うメニューを食べている、
 
と彼らは思っているのだろうか。
 
小麦粉、肉、トマトソース。
 
それだけの品を、別の仕立てにしただけのことで、
 
腸の中では同じ排泄物に昇華すること、間違いなし、である。
 
 
 
私は狭いニッポンが一番好きだ。
 
そして、奥地で肩身は狭く不便であっても、
 
緑豊かで、ちょっぴり噂話好きな美マダムたちが山盛りの、
 
このバダイが、やはり、一番大好きである。