ネオン街の湿原 | kobacabana 3.0

kobacabana 3.0

音楽、食、酒、街、男と女・・・・
日々に感じる雑感を
懸命にまとめています。

ある者は、常識人、と言う。
 
またある者は、偽善的だと見る。
 
そして、ある者は、鼻に付く行動派、と呼ぶ。
 
どれも、当たっていない。
 
 
 
 
私は、ただただコロナが憎く、
 
そして先ず自分を守ることから社会を守ることに繋がる、と信じ、
 
かと言って蓄財にのみ重心を置くことなく、
 
ささやかな社会貢献、経済活動も気を払い、
 
かつ、自分の重労働の労いを、しっぽりとするだけの男である。
 
 
 

 
 
サテライトオフィスの会議室を出て、ここへ。
 
勿論、その会議室も、ひとりだけで入室・利用し、
 
備え付けの消毒液を室内に噴射、テーブルを除菌シートで拭き、
 
鍵を閉めたら、会議開始。
 
どこのお店に顔を出しても、
 
最初の挨拶は「ずっとテレワーク?」である。
 
そう聞く側は何とも思ってはいない。
 
ただ「お変わりない?」の、現代版、である。
 
15時前。
 
まだ暖簾が掲げられていないが、ノックしてドアを引く。
 
店主曰く「利益率が高い」という小ビールからスタート。
 
それにしても、
 
毎日毎日早朝から、良くもここまで働くものだ。
 
客人が日々残していく炭酸ボトルの中身を棄てるのも勿体ないので、
 
こうしてリキュールにヨーグルト味の黒酢を使い、飲んで居たら、
 
痩せた、と、確かに頬がこけたように見える店主が笑う。
 
通りを行き交う主婦層を上目遣いに眺めながら話すのが、この店主の特徴だ。
 
 
 
 
誰も居ない店内に有線の80'sポップスが流れる。
 
アハのテイク・オン・ミーか。懐かしい。あの絵コンテの動画、最高だった。
 
こちらから聴かなくても、ご常連の動向が耳に入って来る。
 
「で、一昨日は〇チャン、〇、〇さんが来て、あとは〇夫婦、あと、閉店間際に〇センセ・・・」
 
私のように他人との接点を避けるかのように動き回るのでなく、
 
仲間に遭えたらラッキー、という地元ならではの行動学が垣間見れる。
 
 
 
 
 
私はこのタマぷ駅からずっと奥に下ったバダイなので、
 
買い物ついでに「よっ!ヒマか?」と顔を出すような気軽さがなく、
 
「Go-To-Travel使って、イートに来たよ」
 
と言って、失笑を買っている。
 
 
 
 
 
ロコたちと違って、圏外から来る心構え、覚悟と手続きを持って上京してくるので、
 
誰と遭遇したいから、とか、あのコに逢えるかな?
 
などの思惑でツアー行程は決めない。
 
 
 
あくまで、ビジネス、その後の放課後を週一回はどこかで死守、
 
という自己都合で動くのである。
 
 
 
一時間半位だろうか、美味しい料理と酒をやりながら過ごしていると、
 
そこに〇ご夫妻が来店した。
 
離れて座り、カウンターの花瓶越しに互いに会釈する。
 
 
 
 
平時なら、
 
 
 
「この後、
 
続々と、美魔女〇、■、△、✖が来店、
 
しっちゃかめっちゃかチャカカーンでゾクゾク」
 
 
と、
 
その晩来店しなかった他の男性陣に勝ち誇ったように書くのだが、
 
私の行動学は、コロナ禍にあってその小さな波の前に、
 
姿を消すのである。
 
 
 
「じゃ、お勘定」
 
 
次に駒を進める。私は独りでも充分に楽しめる男なのだ。
 
 
 
 
ストーブに火を入れ振り返るマスター。
 
「よっ、早寝早起き早飲みのkovaだねェ」と、意味深に笑う。
 
キープしてあるボトルが置かれ、除菌スプレーで手揉み。
 
またここに来れば、逢えぬ仲間たちの動向が耳に入って来る。
 
「ったく、しょうがねぇヤツなのよ」
 
と、とある客の所作に困り果てたように、笑う。
 
皆、こうして悪く言われたくないと思うのが人の情けってもんで、
 
私の長年の酒場放浪史で、
 
あちこち、で、よく耳にあうるやりとり、である。
 
 
 
優れた音楽、酒、そして粋な会話に、サイテー・エロ(≒サイバー・テロ)。
 
こうして飲んで居ると、朝4時半からのビジネスの疲れが、
 
嘘のように吹っ飛んでいく。
 
 
お、二人組が、来店。
 
 
私はまたここでマスターに声をかける。
 
 
「じゃ、そろそろ帰ります」
 
 
 
早く、親友と渋谷で飲みたい。
 
早く、マダムらと日本酒の会をやりたい。
 
早く、洋楽研究の同志とライブに行きたい。
 
早く、マスク外してダンスしたい。
 
 
 
減少傾向とは言え、まだまだ再熱する可能性あるレベル。
 
皆でここはひとつ踏ん張って、コロナを、醜い失言屋を、
 
掃いてしまいましょう!