7.第6章 先行するエグル3 | 開運とファンタジーの扉

開運とファンタジーの扉

「開運とファンタジーの扉」と云うブログですので、開運気学に関する話題と、ファンタジー小説の「惑星神話シバルバ」の2本立てになっています。

ファンタジー編 



惑星神話シバルバ
第7部 ウタ族の大河
第6章 先行するエグル3

 

 

 

 

バサ バサ バサ

ピューーーッ

 

 

バード族の少年達の中では一番飛ぶのが早いエグル。

 

ひとりになった途端に

猛スピードで宙を飛び続けた。

 

バード族は南の種族、南の象徴は太陽だ。

 

エグルは太陽が昇ると同時に飛び続け

太陽が沈むとともに夜の休息を取っていた。

 

 

飛び続けて数日が経った。

 

ひとり呟くエグル。

 

「あともう少しでウタ族へ続く大河に出るな … 」

 

 

そしてひとり、上空で叫んだっ。

 

「あっ、ゴ族だ、ゴ族達が居る?」

「ウタ族の村はもっと上流のはずなのだが?」

「随分とウタ族の村の手前で陣を張っているな?」

 

「気付かれない様に降りて、様子を見るか」

 

エグルはゴ族の陣の手前にある

林と藪の密集した場所に降りた。

 

藪の中からゴ族の陣の様子をうかがうエグル。

 

「う~~ん、シュバランケの姿が見えないようだが… 」

「移動してみるか… 」

 

「う~~ん、やっぱり居ない様だ… 」

 

「もっと近づかないと分からないかっ!」

 

「僕の使命は、ウタ族に危険を知らせる事にあるのだが…」

「ゴ族に関わっている暇も無いんだけれど」

 

「一気に上空をかすめ飛んで

シュバランケの所在だけは確認してから行くかっ」

 

「よし、僕のスピードを利用して

一気に駆け抜けてやる!」

 

 

そう言うとエグルは翼を羽ばたかせ

上空に登っていった。

バサ バサ バサ バサッ

 

 

そして高く上がった上空から

今度は一気に下降して行った。

 

翼を折りたたみ、流線形の姿勢を取り、ゴ族の陣を目指す。

バササササーーーッ

 

早い !

ピシシ―――ッ

 

目にも止まらぬ速さで幕舎の上空を飛び

その陣の様子を上空から確認して行った。

バサササーーッ

 

あっちに飛び、こっちに飛び、幕舎の上で華麗なる舞いを

ゴ族の兵士達に見せつけた。

 

「やはりシュバランケとカコウがいない!」

「あっ、ヒエンが居る、リコウもここに居るのかっ!」

 

「んっ、あれは…

マント族だっ マント族もここに居るのだな」

「後でコアトル王子に知らせてあげなければ!」

 

騒ぎ出す地上のゴ族達。

 

 

ヒュンッ!

長槍がエグルを目指して飛んで来た。

 

「おっと、危ない危ない」

 

「そろそろ おさらばするかっ」

「よおし、行き掛けの駄賃だっ!」

 

エグルは火炎を吐き、幕舎の屋根に火を付けた。

ブワーーッ!  ボン!

 

ボウウウウゥゥゥ

 

「うわっ、やりあがったっ」

ゴ族の兵士達が口々に叫んだ。

 

 

上空の状況を見ていたヒエン。

 

「バード族の子供のくせにっ!」

「たった1匹で、復讐のつもりかっ!」

「我らゴ族を甘く見るなっ!」

 

ヒエンはロングボウを手に取り矢をつがえた。

ギリギリギリ

 

 

勢いよく矢は放たれ エグルを目指した。

 

ビシュッ

 

 

 

 

 

惑星神話シバルバ」は

小説家になろう」のサイトでも連載しています。

よろしかったら訪問してみてくださいね♡

まとめて読めます。

 

 

 

 

本日も 最後までお付合い下さり ありがとうございました。