7.第6章 先行するエグル1 | 開運とファンタジーの扉

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ファンタジー編 



惑星神話シバルバ
第7部 ウタ族の大河
第6章 先行するエグル1

 

 

 

 

澄み切った青空の中

華麗に翼を羽ばたかせるバード族の少年達。

 

 

先頭を飛んでいるのはバード族の王子ヘラだ。

 

その後ろをアグル、イグル、ウグル

そしてスピード自慢のエグルが続いていた。

 

地上には

白馬ウィングに乗ったコアトル

その後ろでコアトルに抱き着いているエカリー

俊足が取り柄のキチェ族のキャティが

北を目指して進んでいた。

 

 

上空を飛んでいるバード族の少年達は

地上のコアトル達の速度の遅さを

じれったく思っていた。

 

さらにキャティの体調不良が追い打ちをかけた。

 

白馬ウィングに先行して走るキャティ。

ハア ハア ハア

 

ゴホッ ゲホッ ゲホッ

 

キャティは咳込んだかと思うと

足をもつれさせ、地面に転がり込んでしまった。

ズザザザーーーッ

 

「大丈夫かっ キャティ!」

 

コアトルはウィングの背中から降りて

横たわるキャティの側に駆け寄った。

 

「どうしたキャティ!」

「疲れたかいっ?」

 

 

荒い息をつきながらキャティが答えた。

 

「ごめんなさい、大丈夫よコアトル」

ハア ハア ハア

「ちょっと石につまずいただけだから」

ハア ハア ハア

 

 

「しばらく横になっているといい」

「待ってて、今水を持って来てあげるから」

 

 

遅れてやって来たエカリーもキャティの側にひざまずいた。

言葉が通じない事は分かっていたがシバルバ語で言った。

「大丈夫? キャティ?」

 

 

コアトルは大きく手を振りバード族の少年達に伝えた。

 

「ギャーッギャーッ

一旦ここで休息を取る」

「みんな、休憩だーーっ!」

 

 

バード族の少年達が地上へと降りて来た。

 

「ギャッギャッ また、休憩するのかい?」

「こんなんじゃ、全然進まないよっ」

 

バード族の王子ヘラが言った。

 

 

「うん、ごめんね」

「どうもキャティの体調が良く無いみたいなんだ」

「ちょっとだけ、休憩を取ってくれるかい?」

 

コアトル達はその場で休憩を取った。

 

 

その場にコアトル、エカリー、キャティの輪と

バード族の少年達の2つの輪が出来た。

 

コアトルが持って来てくれた水を飲むキャティ。

 

バード族の少年達5人は何やら相談をしている。

 

 

コアトルの輪の方にヘラがやって来た。

 

「ギャッギャッ コアトル王子!

みんなで話し合ったんだが… 」

 

「僕達は大分遅れてしまっている」

 

「そこで、僕達の中で一番飛ぶのが早い

エグルを先に向かわせて

事前にウタ族に危険を知らせてはどうかと

いう事になったんだけど?」

 

「このままでは全ての事が手遅れになって行く」

 

 

コアトルは一瞬考えたが、すぐに返事をした。

 

「うん、それはいい考えだ」

 

「バード族は空を飛べるから

先にウタ族の村に行って

ゴ族が襲ってくる事を伝えられるね!」

 

 

コアトルはヘラに微笑んだ。

 

 

 

 

 

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