7.第5章 惑うリコウ3-3 | 開運とファンタジーの扉

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ファンタジー編 



惑星神話シバルバ
第7部 ウタ族の大河
第5章 惑うリコウ3-3

 

 

 

 

幕舎の中は薄暗く

夕方のようであったが、外は昼間で

太陽の光がまぶしかった。

 

太陽を仰ぎ見て

一瞬目を細めるリコウ。

 

どうしたものか?

 

心の中で

自分に問いかけた。

 

 

後陣に残されたゴ族の兵士達は皆

何をしたら良いのかと

手持ぶさたの様子であった。

 

惑う 惑う 惑う

悩む 悩む 悩む

決める 決める 決める

 

リコウの心の中で

決め事が一歩、歩みを進めた。

 

 

ヒエンの幕舎に向かうリコウ。

 

 

ヒエンは幕舎を出て

手下の兵士達の長槍の稽古の指南をしていた。

カン カン カン

 

幕舎の前の床几(しょうぎ)に

どかっと座り

兵士達の動きを監察している。

テイッ エヤッ トウッ

 

ヒエンはリコウがこちらにやって来るのを見つけたが

何も言わず

近寄って来るのを待った。

 

ヒエンの脇に着いたリコウ。

 

「ヒエン殿、お話があるのだが… … 」

 

「これはこれは リコウ殿」

「どうなされたのか?」

 

 

「実は…

軍を西北へ移動させてはと

思うのだが… 」

 

 

「西北へ移動?」

「マント族の入れ知恵ですか!?」

 

「族長は我々にここで待てとおっしゃった」

「我々は、族長の言いつけどおりにするまでだっ」

 

 

「それはもちろん そうなのだが… 」

「私の隊だけでもいい、西北に移動してはいけないだろうか?」

 

 

「しつこいですぞ リコウ殿!」

「あまり、マント族の影響を受けない方が良いと思いますぞ」

「どうもマント族との意思の疎通が出来上がってから

あなたは、マント族に付きっ切りだ」

 

「あのサルにあんまりかぶれん方が良い!」

 

 

「… … … 」

 

 

リコウとヒエンはお互いの顔を見合ったまま

その心の奥を探り合う様に黙ったままになった。

 

 

リコウが答えを出した。

 

「… … いや、申し訳なかった」

「あなたの言う通りだ」

 

「では失礼する」

 

リコウはヒエンの幕舎を離れた。

 

 

ヒエンは一瞬目を閉じて

その後目を見開き

手を挙げて

長槍の稽古の再会をうながした。

 

おうっ!

カン カン カン

 

テイッ エヤッ トウッ

 

 

 

 

第7部 ウタ族の大河
第5章 惑うリコウ3-3

 

マックの言葉を受けて惑うリコウ。

 

深遠なるシバルバ曼陀羅図を前にして

自分の信じて来たものが揺らぎだすリコウ。

 

ウタ族と戦っているシュバランケ

後陣にいるリコウ、ヒエン、マック

後陣を追いかけるコアトル達

 

3つの場面で物語は進行している!

 

21世紀 SF ファンタジー 異世界 神話  冒険 活劇 戦記 怪異 幻想 浪漫 伝承 奇譚 は続く。

 

 

 

 

 

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まとめて読めます。

 

 

 

 

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