6.第21章 再会4-4 | 開運とファンタジーの扉

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「開運とファンタジーの扉」と云うブログですので、開運気学に関する話題と、ファンタジー小説の「惑星神話シバルバ」の2本立てになっています。

ファンタジー編 



惑星神話シバルバ
第6部 バード族の平野
第21章 再会4-4

 

 

 

「ロック族の村のトラロックから

氣力の使い方を教わったんだ!」

 

 

コアトルは弾む声で言った。

 

「ロック族って

あの岩だらけの巨人の事?」

 

エカリーが不思議そうに言った。

 

「そうさ、エカリーだって

練習すれば使えるようになるよ!」

 

「落着いたら

氣力の造り方を教えてあげるよ!」

 

「さあ、バード族の少年達の後を追いかけよう!」

 

 

コアトルとエカリーは5人の少年バード族の後を追って

燃え盛る村へと入って行った。

バリ バリ バリ

ボウ ウ ウ ウ

 

 

村の中は想像以上に

地獄の様相を呈していた。

 

地面にはバード族達の死体の山。

焼け焦げた嫌な臭いで充満している。

炎のせいで上昇気流が発生して

それが龍のように空に登って行っている。

炭になり崩れ落ちていく大木たち。

乾燥してひりついた空気は皮膚をひび割れさせる。

 

 

 

「ゴホッ ゴホッ

ダメだコアトル王子!

これ以上は進めないよ!」

 

 

「この状況じゃぁ

たぶん地下牢の周辺も炎と煙に巻かれているよ」

 

「閉じ込められたマント族は

もう助からないよ!」

 

バード族の王子ヘラにそう言われたコアトルであったが

何も答えず

ただじっと燃え盛る炎の先を見詰めていた。

 

 

「何をしているんだっ

早く引き返すよっ!」

 

 

バード族の少年達は

熱波にたまらず引き返し始めた。

 

コアトルとエカリーも

炎を見詰めながら

後ずさりをして行った。

 

 

「マックにキャティ…」

コアトルは小さくつぶやいた。

 

流れた涙は

乾燥した熱波の空気によって

すぐに蒸発した。

 

 

炎を見詰めるコアトル。

 

ふと視線の先に小さな黒い影を見つけた。

 

ヨロヨロと頼りなさげにこちらに近付いてくる。

 

「えっ、あの影はキャティ?」

コアトルが叫んだ。

 

走り込むコアトル!

 

 

向こうもこちらに気が付いたようだ。

 

ヨロヨロと歩いて来ていたが

「ガルル―――ッ! コアトル! コアトル!」

 

キャティだ。

キャティがそう叫んだ。

 

煤(すす)けて真っ黒になったサーベルタイガーの姿で

走り寄って来た。

ダダダダ―――ッ

 

 

コアトルは片膝を付き

両手を広げてキャティを迎い入れた。

 

その胸に飛び込むキャティ。

 

二人はそれぞれの名前を呼び合った。

キャティ~ コアトル~ キャティ~ コアトル

 

もうひとつの再会がここにあった。

 

 

今までの押し殺してきた感情を爆発させるように

キャティはコアトルの胸の中で泣きじゃくった。

 

コアトルはキャティを抱きしめながら言った。

 

「来るのが遅くなって ごめんね キャティ!」

 

「ずいぶんと苦しい思いをさせてしまったみたいだね」

 

 

「ごめんね キャティ…」

 

 

 

 

 

第6部 バード族の平野
第21章 再会4-4

 

やっとの思いで再会できたエカリー。

そしてキャティ。

 

暗黒神は北のウタ族の村に向かい

ゴ族もその後に続く。

 

ゴ族に連れ去られたマック。

 

コアトルとバード族の少年達。

 

物語は此れからどう進んでいくのか?

 

待て次回!

 

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本日も 最後までお付合い下さり ありがとうございました。