本日よりいよいよ
SMBC 日本シリーズ 2023
“オリックスバファローズvs阪神タイガース”
が、スタートします。
思い返せば1985年。
齢9つの時にタイガースが初めて日本一の栄冠を掴んだ時、ワタクシは周囲の異様な“狂気”じみたものに引きずられるように阪神ファンになりました。
皆様ご承知の通り、このあとタイガースは他に類を見ないそれはそれは情けない暗黒時代を迎えるわけです。
しかしながら、私が高校2年だった1992年。
忘れていた熱気が突如関西を包みます。
空前の亀新フィーバーに乗せられるようにタイガースはペナントレースを快走。
あともう少しのところで優勝の二文字は掌の上を滑り落ちていったのです。
更に深い闇の中の奥の細道へと分け入ってしまったタイガース。
チームが立ち直ってゆくには1998年に就任した野村克也監督時代まで待たねばなりませんでした。
ぶっちぎりで弱いチームから、あと少しで強くなれそうな弱いチームにはなったかな?と思えた2001年オフ、突然の辞任騒動が起きてしまい残念ながらノムさんは阪神を去ります。
しかしながらノムさんが蒔いた種は着実に根を張り、闘将・星野仙一監督を迎えて2年目の2003年にようやく花開いたのはみなさまもご存知の通りです。
2005年は岡田彰布監督のもとリーグ優勝を飾るものの、歴史的な“33-4”のスコアでロッテに惨敗。
その後、何度も何度もチャンスはあれど、ペナントには届かないまま18年が経過したのも皆様ご存知の通りです。
この間、中村勝広GMのもとドラフト戦略を大きく見直し、補強中心の編成から生え抜きでチーム力を上げてゆく編成へと移行し、2016年からの金本監督〜矢野監督の“超変革”路線で生まれ変わったチームが、再び立ち上がった岡田監督の運用にピタっとハマり久しぶりにセリーグを制覇したワケです。
CSも無事突破して相対するのは、何の因果かオリックス・バファローズです。
2004年に巻き起こった球界再編の嵐の中、オリックス・ブルーウェーブが大阪近鉄バファローズを吸収して生まれたチームですが、ルーツを辿れば西宮スタジアムをホームにV9時代の巨人と堂々と渡り合った阪急ブレーブスがその始まり。
みなさん覚えていますか?
かつて“在阪4球団”と呼ばれたうち、パ・リーグを戦場とした阪急・近鉄・南海のことを。
どんなに強くても頑張っても人気があるのは阪神タイガース。
「なんべん優勝してもずーっとスタンドはガラガラでしてね。すぐ近くの甲子園はいっぱいやのにね。」
福本豊氏のこんな嘆きを聞いたことのある方もたくさんいらっしゃることでしょう。
奮戦虚しく散って行った在阪球団の流れを汲むオリックス・バファローズに、そんな怨念のようなものを感じるのは昭和の感覚でありましょうか。
気がつけば、阪神なんば線を挟んで1番ご近所の“お隣さん”と呼んでも良い両チーム。
よっさんが胴上げされたあの歓喜の瞬間からすでに38年。
昭和から平成を飛び越えて令和となったこの世の中で、それでもタイガースが日本一に輝くことを信じて、今日からの日本シリーズを見守りたいと思います。
