いなせ家、逝く

５月11日、うちの一門のいなせ家半七が病気のために亡くなりました



元々はうちの師匠の弟子でしたが、師匠が亡くなってから僕の元へ



2月の中席に浅草演芸ホールで開催したうちの師匠の追善興行に出演したあと、4月中席の鈴本演芸場が最後の寄席出演となりましたが、浅草の寄席では後輩たちのために稽古をつけておりました



一時は真剣に政治家を目指しておりましたが、ポスターも出来上がり、応援演説の日程を僕と調整している段階でアクシデントのため立候補を断念



その後は温泉博士として、全国の有名な温泉や秘湯を巡りながら雑誌に寄稿をしておりました



大変なモテ男で、素敵な奥さんがいるにもかかわらず、ワキの女性に不自由したことがありません



好みのタイプは真っ赤なマニキュアを塗り、背中にタトゥーを入れた女性😄



そんな彼ですが、酔いがまわると饒舌になり政治や落語について熱く語る一面も



後輩からはとても慕われておりましたし、うちのスタッフもみんな彼のことが大好きでした



ひと言でいうなら、優しくていい奴。信用できる男です



それが判っているから奥さんもずっとそばにいたんでしょうね



最後の最後にそれまであまり縁のなかった鈴本さんの高座に上がれたことは良かったと思いますが、秋までに寄席のトリを務めてもらおうと考えていたところだったので、それが実現できなかったのが心残りです



本名･国本貴久



前座名、春風亭朝吉



二つ目時代は春風亭茶々丸を名乗り、真打に昇進後、いなせ家半七に改名



得意ネタは茶金、算段の平兵衛、らくだ、天狗裁き、金明竹、手水廻し、持参金、京の茶漬けetc.



優しい奥さんに可愛いお嬢さん、そして数多の女性たちによって支えられた64年の人生でした



いなせ家半七❗あばよ、この色男ッ