先輩たちのいる楽屋
おはよう😄
本日は前座時代のお話を致しましょう
大先輩たちが楽屋入りをすると、その場の空気がガラッと変わりますが、師匠によってその様子がまるで違うんですよ
圓生、先代正蔵、先代小さんといった師匠方は威厳があるので、楽屋がなんとなく静か
先代の馬生師匠がいらっしゃると穏やかな空気に
先代の三平師匠や志ん朝師匠はオーラがありますから楽屋全体が華やかな雰囲気になります
晩年に圓蔵を襲名した円鏡師匠がお入りになると楽屋が急に騒がしくなり前座が少し緊張します
なぜかというと高座返しに行こうとする前座の着物の前を広げるようなイタズラをするし
いきなり、どうなんだよ?なんて訊いてくるから
この時に前座がハァ?なんて聞き返すと、だからどうなんだよとかぶせてくるんですよ
これって、訳のわからない質問にどんなアドリブで返せるかのテストなんですよね
うまく返せなかった時は師匠の目が、眼鏡の奥でダメだコイツはって言ってるのがわかるの
先代の圓楽師匠は楽屋で陽気にふるまって下さるので特別緊張はしませんが、別の心配があって
新宿末廣亭は楽屋の声が客席に聞こえやすいんですよ
それなのに師匠がガハハハと高笑いするから気がきじゃない
圓窓師匠と二人そろったらもう絶望的
圓楽師匠にお静かになんて言える後輩はいませんからね
なにしろ師匠は九州の落語会で2年連続で同じ噺をやって、クレームをつけにきた人に対して、長生きしたから同じ噺が聴けたんじゃないか、むしろ喜びなさい❗って逆ギレした方ですからね
そんな人に静かにして下さいなんて言えるわけがない😆
先代の圓歌師匠の場合は、楽屋入りした途端に、小さな嘘つきがやってきたぞっていう雰囲気になるの
師匠は気さくに話しかけて下さるし、昔の話をよくして下さるんだけど
どこまでがホントだか判断するのはこちらの役目
でも、とにかく高座が常にバカウケですから、帰る時にはまわりの目が尊敬に変わってる。ここがすごいとこ
小三治師匠の場合は師匠が何かを始めたら無視をせずに見守ってあげることが大切
扇橋師匠や文朝師匠が楽屋にいらっしゃる時は師匠が楽しそうなのでひと安心です
木久扇師匠は師匠のほうがまわりに気をつかって下さるので前座は楽ちんだし、馬風師匠もきちんと気をつかっていれば大丈夫
そのかわり、それが出来ない前座は海に沈むことになります
そして、そして❗いよいよ問題のあの方ですが
談志師匠が楽屋入りすると、特に末廣亭の場合などは下座さんまでがガチガチになります
この緊張感の原因は何かというと、何かヘマをしたら自分がひと前で怒鳴られるんじゃないかという恐怖心です
先輩が高座に上がっていても平気で下手くそ降りてこい❗と怒鳴る方でしたから、それを一度でも目撃したら最後、自然と身体が硬直するのは無理のない話
ところが、有能なお弟子さんになると緊張する理由が少し違うんですよね
昔、談春さんになんで師匠が楽屋入りするとそんなに緊張するのって訊いたら
好きだからですよ、という答えが返ってきました
怒られるのが怖いわけではなく、大好きな師匠だから、少しでも気分良く快適に過ごして欲しい、その思いが強すぎて緊張するんだそうです
こういう思いって必ず師匠に伝わりますからね
どんなに仲良く話をしていても、絶対に踏んではいけない師匠の地雷というものがあって、優秀な弟子はそれがどんな種類でどこに埋まっているのかよくわかってるんですよ
口じゃ師匠を尊敬してますとか大切な方ですなんて言っていても平気で地雷を踏んでくる人や、絶対にはずしてはいけないポイントがわからない人もいますからね
好きだから緊張するんです
いい言葉だな😄
本日は前座時代のお話を致しましょう
大先輩たちが楽屋入りをすると、その場の空気がガラッと変わりますが、師匠によってその様子がまるで違うんですよ
圓生、先代正蔵、先代小さんといった師匠方は威厳があるので、楽屋がなんとなく静か
先代の馬生師匠がいらっしゃると穏やかな空気に
先代の三平師匠や志ん朝師匠はオーラがありますから楽屋全体が華やかな雰囲気になります
晩年に圓蔵を襲名した円鏡師匠がお入りになると楽屋が急に騒がしくなり前座が少し緊張します
なぜかというと高座返しに行こうとする前座の着物の前を広げるようなイタズラをするし
いきなり、どうなんだよ?なんて訊いてくるから
この時に前座がハァ?なんて聞き返すと、だからどうなんだよとかぶせてくるんですよ
これって、訳のわからない質問にどんなアドリブで返せるかのテストなんですよね
うまく返せなかった時は師匠の目が、眼鏡の奥でダメだコイツはって言ってるのがわかるの
先代の圓楽師匠は楽屋で陽気にふるまって下さるので特別緊張はしませんが、別の心配があって
新宿末廣亭は楽屋の声が客席に聞こえやすいんですよ
それなのに師匠がガハハハと高笑いするから気がきじゃない
圓窓師匠と二人そろったらもう絶望的
圓楽師匠にお静かになんて言える後輩はいませんからね
なにしろ師匠は九州の落語会で2年連続で同じ噺をやって、クレームをつけにきた人に対して、長生きしたから同じ噺が聴けたんじゃないか、むしろ喜びなさい❗って逆ギレした方ですからね
そんな人に静かにして下さいなんて言えるわけがない😆
先代の圓歌師匠の場合は、楽屋入りした途端に、小さな嘘つきがやってきたぞっていう雰囲気になるの
師匠は気さくに話しかけて下さるし、昔の話をよくして下さるんだけど
どこまでがホントだか判断するのはこちらの役目
でも、とにかく高座が常にバカウケですから、帰る時にはまわりの目が尊敬に変わってる。ここがすごいとこ
小三治師匠の場合は師匠が何かを始めたら無視をせずに見守ってあげることが大切
扇橋師匠や文朝師匠が楽屋にいらっしゃる時は師匠が楽しそうなのでひと安心です
木久扇師匠は師匠のほうがまわりに気をつかって下さるので前座は楽ちんだし、馬風師匠もきちんと気をつかっていれば大丈夫
そのかわり、それが出来ない前座は海に沈むことになります
そして、そして❗いよいよ問題のあの方ですが
談志師匠が楽屋入りすると、特に末廣亭の場合などは下座さんまでがガチガチになります
この緊張感の原因は何かというと、何かヘマをしたら自分がひと前で怒鳴られるんじゃないかという恐怖心です
先輩が高座に上がっていても平気で下手くそ降りてこい❗と怒鳴る方でしたから、それを一度でも目撃したら最後、自然と身体が硬直するのは無理のない話
ところが、有能なお弟子さんになると緊張する理由が少し違うんですよね
昔、談春さんになんで師匠が楽屋入りするとそんなに緊張するのって訊いたら
好きだからですよ、という答えが返ってきました
怒られるのが怖いわけではなく、大好きな師匠だから、少しでも気分良く快適に過ごして欲しい、その思いが強すぎて緊張するんだそうです
こういう思いって必ず師匠に伝わりますからね
どんなに仲良く話をしていても、絶対に踏んではいけない師匠の地雷というものがあって、優秀な弟子はそれがどんな種類でどこに埋まっているのかよくわかってるんですよ
口じゃ師匠を尊敬してますとか大切な方ですなんて言っていても平気で地雷を踏んでくる人や、絶対にはずしてはいけないポイントがわからない人もいますからね
好きだから緊張するんです
いい言葉だな😄