言葉のチョイス | 春風亭小朝オフィシャルブログ Powered by Ameba

言葉のチョイス

おはよう晴れ



昨夜、テレビでラランドさんの特集をやってましたけど、面白かったですね😁



才能があるのに、あまりとびすぎないところが好き



昨日やった2本のネタも、ベタでゆるい笑いでした



彼女みたいな放送作家がいたらいいのにな



ところで❗話は変わりますが、次の文章の間違いを見つけて下さい



わぁ、このハンバーグとても美味しい



いやぁ、とても面白い映画でした



この中で使われている<とても>ですが



昭和の初めまで、とてもの後には否定の言葉がくるという決まりがあったそうです



それがいつの間にか、あとに肯定の言葉がきてもいいようになったとか



これ、井上ひさしさんのエッセイに書いてあったんですけど知らなかったなぁ



井上さんが芝居を書くときに心がけていたことは、なるべく大和ことばを使うこと



たとえば、お兄さんのシャツ洗濯しておいたわよ、といわずに



お兄さんのシャツ、洗っておいたわよ、というとコンマ何秒か観客がはやく理解するので次の台詞の邪魔にならないというわけ



なるほど、これはわかるなぁ。アイ・デンキ・スタンド



途中にやたらと英語をはさむ知事がおりますけど、聞いている人の頭の中に?が浮かんでしまうとあとの言葉が入りずらくなりますからね



落語の場合もそうで、昔からあるいい言葉なんだけど、お客様の頭の中に?が浮かんでしまうとあとの台詞の邪魔になるということがあるんですよ



極端な例をあげると



たなごころ、きびす、ひかがみ、ほぞおちしたなんていう言葉を急に使われても困るでしょ



こういう言葉ひとつで耳のシャッターをおろす中学生もいますから



昔、志ん朝師匠が、レベルをいち段落として話さないとお客様には伝わらないとおっしゃってましたが、最近益々その傾向が顕著になっている気がします😄