一通の手紙 | 春風亭小朝オフィシャルブログ Powered by Ameba

一通の手紙

おはよう晴れ



本日は朝からいきなり良い1日となりました😄



ていうのも、先ほどスタッフが封書を届けくれたんですよ



送り主は、僕の新刊<菊池寛が落語になる日>を読んで下さった上に、先日の菊池寛ファイナル独演会にお越し下さった方でした



お手紙ももちろん嬉しかったんですが、同封されていたのが2001年に菊池寛さんと松本清張さんについて井上ひさしさんが研究者のお二人と鼎談した時の資料です



いや、その内容の濃さといったら、もうびっくりドンキー😆



井上ひさしさんの知識の豊富さと分析力は凄いですからね



鼎談は菊池さんと清張さんだけにとどまらず、尾崎紅葉、芥川龍之介、夏目漱石、谷崎潤一郎といった文豪たちの裏話も



いやぁ、この鼎談は面白すぎる



送って下さった方に春の大感謝祭であります🙏



井上ひさしさんが直木賞を受賞したあと、選考委員のひとりだった松本清張さんから手紙が届いてるんですよね



その内容ですが



二、三年はとにかく必死で注文は断らずにやりなさい。つぶれる作家はそこでつぶれる。そこをしのいだら、それまで持っている自分のものはすべて出てしまうはずだから、少し勉強しなさい。評論家の言うことは、いいものは聞いて、悪いものはききながしなさい。それから自分の磁石をもって下さい。自分の才能についてあらゆる可能性を探るのは結局、自分だけしかできないことで(評論家も含めて)他の者にはわかりませんから



というものです



清張さんが自分の体験をふまえて井上さんに送ったアドバイスなんでしょうね



松本清張さんが菊池寛さんの作品を読み込んでいた話や、芥川龍之介さんが菊池さんから受けた影響、また自らを追い詰めた原因、それぞれの作家の内面や劇作術については長くなるのでやめておきますが



僕が驚いたのは



菊池寛さんが、文藝春秋社を興してしばらくしてから、女子大の英文科卒の才媛を集めてアメリカの小説を沢山読ませて、その荒筋を書かせていたことです



小説を読む手間を省き、ストーリーのパターンだけを調べて、そこに現代をあてはめていくというやり方ですが、これは知らなかったなぁ😅



この鼎談で井上ひさしさんはこんなことをおっしゃってます



極端に言うと、作家に独創はない。オリジナリティはありません。常に作家はいい読者家で勉強家でないと駄目なんです



これは、僕が最近気になっている名言



この世に新しいものなんてない。今までそれに気付いていなかっただけ



という言葉に共通しています



この鼎談には参考になる話が山盛り出てくるので、あとでじっくり読み返してみたいと思います



ところで❗



今、発売になっている週間朝日の週間図書館<書いた人>というページに僕の記事が載っておりますが



この記事を書いて下さった仲宇佐ゆりさんという方の文章の運びに感心しました



限られた文字数のなかで色々な話を散りばめながらコンパクトにまとめています



取材の時も好奇心旺盛な感じで前のめりのインタビューでしたが、こういうライターさん好きだなぁ😁