無念

こんばんは



音楽評論家の吉田秀和さんがお亡くなりになりました


吉田さんの音楽評の好きなところは、読んでいるうちにその演奏が聴きたくなるところ



そして、生の演奏が聴けなかったことが悔やまれるところです



なぜ聴きたくなるかというと、読んでいるうちに色々なことを気付かせてくれるから



どうして悔やまれるかというと、少女が密かに思いを寄せる愛しの人を語るように、その演奏の素晴らしさが記されているからです



そんなに素敵な人なら、実際に会ってみたいじゃないですか



特定の演奏家を褒める時に、その人を引き立たせるために別の人を貶めないところも好きでした



世の中には、褒めている相手よりも、実は、引き合いに出した人を貶すことに気持ちのｳｴｲﾄがかかっている人がいますからね


気に入ったものだけを取り上げているせいでしょうか、書いたものに悪意がないのが素敵です



とても尊敬できる評論家でしたが、僕自身は書いてあることを全て鵜呑みにしていたわけではありません



その距離感がまた良かったんだと思います



一度、ゆっくりお話を伺いたかったなぁ



最後にｻﾝﾄﾘｰﾎｰﾙでお見かけした時に、1ﾒｰﾄﾙのところまで近づいたので自己紹介をしたかったんだけど…



う～ん、悔いが残る



昔、なにかの記事で読んだ



耳が楽をしないように現代音楽もなるべく聴くようにしています、という吉田さんの言葉が今でも頭の片隅に



僕が時々、ﾌﾞﾛｸﾞに何々かしらって書くのは、吉田さんの真似なのであります

=KOASA