仕事帰りに、県立図書館へ。

今日が期限の三冊は、読了したが、明後日が期限の二冊は、読まないで返却。

何度も借りているがやはり読めないなとあきらめた。

新たにまた五冊借りた。見たときの直感で選んだ五冊。

今日借りた本


ヘルベルト・ローゼンドルファー

「廃墟建築家

オーストリア綺想小説コレクションー1」

国書刊行会、202412


塚谷裕一

「異界の花

ものがたり植物図鑑」

マガジンハウス、1996


ヨナス・ヨナソン

「華麗な復讐株式会社」

西村書店、2022


川瀬七緒

「よろずのことに気をつけよ」

講談社、2011


深緑野分

「この本を盗む者は」

角川書店、2020-2021



虫や小さな生き物の声が聞こえる少女美苑は、厳しい華道師範の母親と植物学の教授である父親を持つ。家族以外の人になじめない彼女だったが、よき理解者だった父親を早くなくし、父の同僚だった動物学の教授から、小さなイグアナの世話を頼まれて、その後ずっとソノと名付けたイグアナをペットとして一緒に成長する。

大学生となり、父のいた大学の院生となった美苑。気ままに研究三昧をしていた。

そんな彼女は、突然母親から半年の間に結婚するように言われる。ガンが見つかった母親は、友達一人いない娘の将来を心配して言い出した。従わないなら、今すむ父の建てたアトリエから出ていくようにと。

他人とまともに話せない彼女にはたして婚活なんてできるのか?

後輩に教えられながら、出会いサイトで相手を探し始めるもなかなか見つからない。そんなときに、幼馴染みと再会し、付き合い始めるが。

結婚相手はどんな相手がいいのか?家族になれるということか?

少しだけ成長した美苑がイグアナのサイとのわかれを迎えたとき、彼女は決意する。

気になりながらも、最後まで読めなかったこれをようやく読了。

人生を考えさせてくれる良質なファンタジー。

三十五才のノーラは何もかもがついてなくて、絶望していた。そして自殺しようと睡眠薬をのみ、死にかけていた。

そんな彼女が目覚めると、真夜中だった。時計は0時のまま動かない。もやに包まれた石造りの四角い建物の前にいた。中へ入ってみると、そこにあるのは書架だった。壁中に並んでいて、通路が無数にある。本が無数にあるが、様々な緑一色で、タイトルはない。何なんだ?

不審におもっていたら、一人の女性が現れる。司書と名乗る老女が現れる。高校時代の図書室の司書だったエルム夫人だった。そして、この不思議な図書館の説明をしてくれる。

ここに並ぶ本はすべて、ノーラがなり得た可能性のある人生が書かれた本なんだと。人生には無数の選択がある。選択次第で変わる人生、それが書かれた本がここに並ぶのだと。ただ一冊だけ、選択により後悔した思いが綴られた後悔の書があり、エルム夫人は最初にそれを見るように告げる。手には持てないほどの重量のそこには、ノーラが今まで感じてきた後悔がすべて、載っていた。

水泳に優れ、父親にオリンピック選手になることを期待されていた十代のノーラ。その期待に押し潰され、挫折したときに父親をがっかりさせた子とへの後悔。兄か始めた音楽活動に加わり、メジャーデビューしかけたバンドが、ノーラの脱退で解散して、兄たちをがっかりさせたことの後悔。いまだに彼らとはぎくしゃくしている。恋人のダンと婚約したものの、母親の病死をきっかけに取り止めて、別れたことへの後悔。いまだに未婚で、子供もいない。親友に誘われながら一緒にオーストラリアへ行かなかったこと。いまだに忘れられない人生の岐路の選択の後悔。

ローラはエルム夫人に勧められ、それらの選択をやり直すことにする。それにより新たな人生を体験する。今よりもよい面もあるが、悪い面も出てきて、どれにも満足できず、図書館に舞い戻るノーラ。はたして、彼女は本当に望む人生を見つけ出せるのか?