母親の葬儀のあとに、一人で生きていくことになったまひろ。折しも会社が倒産して、無職に。区切りをつけるために、昔母親につれられていった寿司屋に向かうまひろ。母親が暴力的な夫と離婚できた記念の日につれていかれて、おいしかった寿司。海辺の町の小さな商店街にある寿司店、江戸前 夕凪寿司。
口下手で弱気なまひろ害を決して店に入ると、昼時間は終わり、夕方まで開かないと言われ、がっかりしたまひろ。そのときに若い女性に声をかけられる。これから作るまかないの海鮮丼でも食べる?
ふんわりした雰囲気の女職人さやかさんが今の大将だった。昔の大将である、さやかの祖父と、住み込みの女の子未來、三人だけのこじんまりした店。
食い逃げと勘違いされたことがきっかけで、未來と友達になり、常連の建設会社の社長に雇われ、新しい人生を始めたまひろも常連となり、ときどきまかないを食べる仲になる。
そんな店の者や常連さんに起きる出来事を描く作品。
離婚を期に、子供もなく独り暮らしの老社長が、誕生祝いに駆けつけた出産した娘と孫娘に出会うエピソード。
飛び込みの成金おやじを常連と共にギャフンと言わせたエピソード。
いつも明るく頼もしい柔道女子未來、実はまひろと同じく、暴力的な父親から逃げていて、預かり先が寿司店だった。世話人から連絡があり、店を出てもいいよと。しかし、いつか家族同然になったさやかと別れたくない未來は悩むが、それを知ったさやかが粋な処置をして、未來を喜ばせるエピソード。