母親の葬儀のあとに、一人で生きていくことになったまひろ。折しも会社が倒産して、無職に。区切りをつけるために、昔母親につれられていった寿司屋に向かうまひろ。母親が暴力的な夫と離婚できた記念の日につれていかれて、おいしかった寿司。海辺の町の小さな商店街にある寿司店、江戸前  夕凪寿司。

口下手で弱気なまひろ害を決して店に入ると、昼時間は終わり、夕方まで開かないと言われ、がっかりしたまひろ。そのときに若い女性に声をかけられる。これから作るまかないの海鮮丼でも食べる?

ふんわりした雰囲気の女職人さやかさんが今の大将だった。昔の大将である、さやかの祖父と、住み込みの女の子未來、三人だけのこじんまりした店。

食い逃げと勘違いされたことがきっかけで、未來と友達になり、常連の建設会社の社長に雇われ、新しい人生を始めたまひろも常連となり、ときどきまかないを食べる仲になる。

そんな店の者や常連さんに起きる出来事を描く作品。

離婚を期に、子供もなく独り暮らしの老社長が、誕生祝いに駆けつけた出産した娘と孫娘に出会うエピソード。

飛び込みの成金おやじを常連と共にギャフンと言わせたエピソード。

いつも明るく頼もしい柔道女子未來、実はまひろと同じく、暴力的な父親から逃げていて、預かり先が寿司店だった。世話人から連絡があり、店を出てもいいよと。しかし、いつか家族同然になったさやかと別れたくない未來は悩むが、それを知ったさやかが粋な処置をして、未來を喜ばせるエピソード。

晴天で、最高気温が10度越えるのは今日だけ。あとは週末まで、五度前後になり、雪が降り、積雪の恐れもあるらしい。最大の寒波が訪れ、本州は全国的に雪だとか。


仕事帰り、市立図書館は分館へ。

明日が期限の三冊を返却。

新たに四冊借りた。

今日借りた本


伊兼源太郎

「偽りの貌  警視庁監察ファイル」

実業之日本社、202409


伊岡瞬

「水脈」

徳間書店、202401


鯨井あめ

「晴れ、時々くらげを呼ぶ」

講談社、2020


「白紙を歩く」

幻冬舎、202410



同棲中の彼女の妊娠を知った日、東京でフリーのライターをしていた護は、故郷に住む伯母から、兄貴の自殺死の知らせを受ける。宮城県の海沿いの町、松島町が彼の故郷だった。幼い頃に母親をなくし、父親と知的障害のある兄、聡と三人暮らしだった。母親代わりに、母の姉である伯母が家事をして育ててくれた。

知的障害の兄は学校でも阻害され、七つ違いの護は、絵の才能がある兄をしたい、一緒に過ごすことがおおく、母子家庭の娘だった百合子とも仲良くなり、よく一緒に遊んでいた。

護が中学生になるころから、回りの評判が気になり、兄を避けるようになった護は、高校卒業を期に、家を出て東京に。

以来一度も帰郷しなかった護。

幼馴染みの思い出の地の近くにある海辺の二本松の下で、薬物死していた兄。異常な様子も見られず、自殺と判断した警察。

葬儀の日に現れた兄の遺書。不審を覚えた護は、兄が誰かに殺されたのではないかという疑いを持ち、一人調べ始める。兄の身近にいて、理解者だと思われていた人々、父親、伯母、幼馴染みのの母子、兄が残したスケッチ帳を手がかりに、彼らに話を聞いていくうちに、彼らが必ずしも、兄を理解し、幸せな暮らしを与えていなかったことが、明らかになる。そして、ラストに明らかになったのは、兄を見捨てた護自身の身勝手さだった。そんな兄に詫びると共に、新たに生まれ来る我が子に真摯に向かい合うことを決意する護。