とにかく、タイトルが長い。

「出会い系サイトで70人と実際に会って

その人に合いそうな本をすすめまくった

1年間のこと」

なんと三行にもなる。

著者は大学を出たあと、好きだった本屋、ヴィレッジヴァンガードという、少し変わった書店に勤め、十年。店長までになったものの、店が自分の思いとは違った方に変わっていくことに悩んでいた。しかも、夫にも我慢できず、家を飛び出し、独り暮らしを始める。口下手で友人もなく、つまらない毎日を過ごしていたときに、目についたのが、出会い系サイト。ためしに登録し、実際に会ってみた。なかには、セックス目的の男性もいるが、話し相手や愚痴をこぼしたいものもいる。そんな男性と会って話をすることで、気分が変わっていく。本好きな彼女は、会った相手にふさわしい本を紹介するようになる。初対面の相手と会い、話をすることで、他人とのかかわりかたにも慣れていく。

70人もの相手に本をすすめたころ、彼女は前から気になっていた京都の本屋の店主に面会を求め、話すことで、ようやく自分の求めていること、したいことを見つける。長いこと、避けていたヴィレッジヴァンガードをやめることを決め、夫とも向き合い、離婚を決める。

そして、新しい形態の書店に就職し、さらには、小さいけれど特色がある書店の店主となり、客に本をすすめるようになる。この経緯を、ウェブマガジンに連載し、評判となり、本にまでなったのがこれ。

会った人70人にすすめた本と、この作品を読んだ人に勧める本のリストまで、巻末に掲載されていて、なかなか興味深い。前者のリストには、私が読んだことがある本もいくつかあるが、後者は全く未知の本ばかり。見知らぬ人と会うことに関する本があげられているようだ。

タイトルだけ、書いておこうか。


声をかける

知らない人に出会う

本の未来を探す旅  ソウル

ときめかない日記

女くどき飯

あなたを選んでくれるもの

さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ

かなわない

ガケ書房の頃


最後のが尊敬する京都の書店で、今はホホホ座と改名しているとか。

る迷い犬として、突然現れる黒柴のマジック。一時的に預かった出会った人々が日頃悩んでいたことが、マジックと散歩したり、一緒に過ごすことで変わっていく。そんなマジックが今回出会ったのは、四人。春夏秋冬、四つの季節に出会った人々。

最初は春。警察官だった父親を病でなくした賢助。父親の知り合いで、母とはクラスメートだったという重さん。どうやら母と再婚するらしい重さんは、最近よく家に来る。見かけはバットしないし、製材所に勤務する優しいおしさん。だけど、賢助はなんとなく親しくなれないでいた。

そんな彼の前に現れたマジック。重さんと二人でマジックの世話をするうちに、重さんには隠れた才能があり、かっこいいところもあることに気づいていく。


次の夏に、マジックが出会ったのは、学生時代から粗暴で、喧嘩ぱやく、工事現場を首にされた牟田。安アパートでマジックを飼い、世話をすることで、人とのやり取りが苦手だった彼は、一人で自由にできる手伝い仕事をしていくうちに、人から感謝され、気持ちを穏やかにすることができるようになり、新たな道も見えてくる。


秋に出会ったのは、小さな警察署の署長を最後に定年退職した、もと警察官の磨手野。そして、彼の息子が重さんらしい。

そんな彼は大学時代の友人とある約束をしていた。還暦の時に会った際に、古希になるまでに、徒歩で二人のマドンナだった友人の家まで行こうと。ちょうど二人の自宅の中間地点に、優子さんの家がある。数年前に彼女は亡くなったが、実行して、まだまだ元気だと祝おうと。

そんな磨手野は、膝に痛みがあり、途中でくじけそうな時に、マジックと出会う。そして、約束の場所に行くまで、行を共にすることで、行き当たりばったりの生き方をする息子重を緩し、認める気持ちになっていく。


最後の冬に出会ったのは、一人暮らしの老婆。出戻りの娘が孫息子を連れて帰り、一時は幸せだったものの、二人とも事故で亡くし、天涯孤独に。近所とも疎遠だし、体もがたがきていた原屋敷チヨ。そんな彼女の前に現れたマジック。一時的に預かり、世話をすることになり、犬好きの町内会長に、きちんと朝晩散歩するように、言われたことから、嫌々始めた。それがきっかけで,口を利くこともなかった近所の人や子供たちと挨拶したり話すようになる。マンガ家になるといって家を出た孫息子の死を,いまだに気にかけていたチヨは、マジックの案内で、小学校に行き、今は母校の教師となっていた、孫の親友と会い、なくなる直前の様子を聞き、自殺ではなく、不幸な事故だったと確信でき、救われる。

今までは、マジックは、時が来ると、マジックの意思で別れていったが、最後の話では、別れずに終わる。これで、マジックは落ち着き、シリーズも終わるのか?

あるいは新たな出会いがまた始まるのか?

気にはなるが、まあ、待つしかないな。

今日の昼前に、職場までいってみた。車で片道50分くらいかかる。そのために、リハビリ入院を一ヶ月くらいして、先週の木曜日に退院。今週の火曜日には、警察へ行き、運転再開の許可を得た。病状の経過と、リハビリの結果などを説明し、後遺症もないことから、運転再開しても大丈夫だろうと。

先月が車の6ヶ月点検だったが、受けられなかったので、昨日受けてきた。二ヶ月くらい放置してあった車なので心配で。さらに、まだ冬タイヤのままだったので、付け替えも依頼する。

そして、今日、天気もよくなったので、職場まで車で行ってみた。どうにか行けた。麻痺した右足はもうどうともないが、左足に少し痛みがでてきたが、運転には支障はない。

帰り道、ひさしぶりに、書店へ。

今月10日に出た佐伯さんの文庫新刊がほしくて。

今日買った本


佐伯泰英

「奔れ、空也  

空也十番勝負」

文春文庫、20230510


山本甲士

「迷犬マジック2」

双葉文庫、202209