お馴染みヤッさんシリーズ五作目。
宿無しながら、食の達人であるヤッさん。そんな彼に弟子入りして、立派な料理人になった若者も結構いる。
今回は三編。
最初は、ヤッさんの一番弟子で、そば職人のみさきと所帯をもち、築地場外で蕎麦屋を開いたタカオ。築地から豊洲への移転が二年延期されたことで、経営者として、将来の不安にとりつかれ、迷走する。ために、夫婦の危機にもなるが、ヤッさんのおかげで救われる。
二編目は、築地場外の老舗玉子焼き屋の三代目となる香津子。世界を放浪したバンド崩れで、ポルトガル風天ぷら、テンペイロの店を開こうとする怪しげな男と知り合う。最初は警戒していたが、やがて、…。
最後の編は身寄りもなく料理人を志し、老舗料亭で頑張っていた里美。とあるオーナーに引き抜かれ、店を任せられ、努力の甲斐あり、テレビに取り上げられるほどに。するとオーナーは本心を見せ、食材のごまかしを指示してくる。店をやめようとすると、投資分の賠償をちらつかせて、脅してくる。
いっぽう、ヤッさんとは長年の馴染みで、夫婦同然の韓国料理屋を営むオモニ。安アパートの店だからなんとかやってこれたが、アパートのオーナーが代わり、立ち退きを迫られていた。
二人の危機を、風邪気味で体調がいまいちだったものの、ヤッさんのおかげで、二人とも再興できる。
今回も、最初はどうなるかと心配したが、ヤッさんの活躍で事なきを得て、よかった。そして面白かった。