警察ミステリー。

県警の刑事部に配属された和泉。十ヶ月相棒だった先輩の女性刑事ナナが、妊娠して、現場を外れたために、彼は新しい女性刑事がコンビとなる。

三件の事件が扱われているが、最初の事件では、捜査本部ができた所轄の刑事だったセラ。美女だが、愛想もなければ、挨拶もしない、取っつきにくい相手だったが。彼女はひとつきの間に職務質問で、立て続けに三振の犯罪者を捕まえた交番巡査から、刑事に引き上げられていた。

派遣の介護士が自宅で殺された最初の事件。被害者にもその回りにもなんのもトラブルが見つからず、最初は難航した捜査。しかし、聞き込みでセラが感じた違和感を追求することで、ついに、被害者のトラブルにつきあたり、犯人確保となる。被害者の世話した相手の家族による、殺人だった。しかし、なぜか犯人は最初から罪を認め、何か隠し事があるように思えて、和泉とセラはさらに追求していくが…。

第二の事件は、年下の恋人の部屋で、彼を刺し殺し、自ら通報。現行犯逮捕されたスーパーに勤めるアラフォーの独身女性の事件。犯行は認めたものの、詳しいことは一切供述しない加害者。殺意があったかどうかで、殺人罪と傷害致死罪にわかれ、刑罰も変わる。なんとか彼女に聞き出そうとするも、苦慮する。和泉たちが、彼女の回りを探っていくと、異常な彼女の正体にたどりつく。

小学五年生の少年が失踪。誘拐かと?彼の捜索をするも見込みがたたずあせる本部。怪しい男が見つかり、少年の命が心配で逮捕し、尋問をしてみたが、何も話さない被疑者。先輩刑事が違法の取り調べにより、被疑者の罪を暴き、誘拐とは無関係だとわかる。和泉とセラは、被害者の妹に話を聞いて、別の線に気づく。そして、ついに少年を発見する。

猫が主人公で、彼らの視点から描かれる、それぞれの飼い主たちの事件。

荒れ屋敷での多頭飼育されていた猫たち。保健所に保護され、新しい飼い主の元に別れた四姉妹の猫たちが、言わば主人公。彼らだけはなぜか、テレパシーで交信できるため、普段から互いの状況を把握しやすい。妹たちの飼い主に訪れた危機、最後には姉猫が乗り出して、無事に解決する。最後には、姉の危機に、三匹の妹猫たちが、はじめて飼い主宅を抜け出して、協力する。

なかなか楽しめた。

末っ子のめい子の飼い主の若い夫婦に離婚の危機が。双方とも好きなめい子は奔走する。

美人の派遣の秘書に飼われていた美女猫のシュトレン。男を見る目がない飼い主の危機にどう対処したのか?

宝石加工工房を営む、耳の不自由な老人に飼われるきせき。主人が騙されたと知り、何とかしようと奔走するきせきの活躍。

タクシー会社の社長の娘で、夜勤の運転手を勤める真白に飼われる姉猫の宵。

共に可愛がってくれる大学生の弟、直央の危機に、宵は奮闘する。

気温は高くなったが、夕方に雷と小雨。


仕事帰りに、市立図書館分館へ。

土日に読めた四冊を返却。

新たにまた四冊借りた。

今日借りた本


高森美由紀

「ちゃっけがいる移動図書館」

中央公論新社、202408


詠坂雄二

「5A73」

光文社、2022-23


今野敏

「隠蔽捜査9.5 審議官」

新潮社、2023


真保裕一

「共犯の畔」

朝日新聞出版、202409