警察とテレビ局報道部の双方による東京都西部で起きた連続放火事件、埼玉県で起きた連続路上強盗事件の調査は、意外な犯人をあぶり出すことになる。
警視庁刑事部分析捜査三係の渡瀬敦子警部と、中学時代の同級生で、東都放送報道局の土方玲衣。
監視カメラの画像とプロファイリングにより捜査を進めるも、次の発生予測を外して、周囲の反発を買っていた敦子。
部下のミスで異動となったものの、ミスの処理で上司に借りを作った玲衣。敦子の捜査を看板番組で取り上げて、もとの部署への復帰を企てる、その過程で、二つの連続事件に取材を始めた玲衣は、得た情報を敦子と共有することで、捜査に関わっていく。
どちらもプロの犯行だと思われていたが、その後敦子はカムフラージュではないかという疑念を抱く。殺したい人物が複数いて、彼らを無関係に殺すために、二つの連続事件をしているのでは?
双方の被害者たちを調べていくと、一見共通点はないものの、みな実家がすでにないことや謎の空白期間があることなど、いくつかの共通項が見つかり、さらに突き詰めていくと、どうやらみな中国からの密入国者らしいとわかる。最近その一人が幸運を引き当て、身元がばれるのを防ぐために、仲間を殺しているらしい。
折しも政府与党が解散総選挙と重なる。テレビの報道局もその速報に人員をとられるなか、敦子はエックスデイを選挙と重ねることで、一気にかたをつけようとするが…。
最初はあまり気分が乗らなかったが、途中から一気に最後まで読めた。結末は首謀者の自殺、その動機となった人物への捜査は打ちきりとなり、多少不満も残るが、本人に自覚ないのに、それ以上突っ込むのも不幸を呼ぶだけかもしれないな。
著者はテレビ番組製作に携わる傍ら、ミステリーを書き、高い評価を受けているらしい。もう一作くらいは読んでみようか。