これといった事件も起こらず、たんたんと一人の若者が描かれる。27歳になり、5年勤めた会社をやめた主人公鳴海。会社では大したことが起きたわけではないが、毎日の些細なストレスが溜まり、我慢できなくなった。
偶然見つけたブルーと言う昔風の喫茶店。雰囲気が気に入り、やがてバイト始める。店主がなぜか似た者のようで、居心地かいい。そして、いつか詩文でもこんな喫茶店を開きたいと思うようになる。
鳴海には実は秘密かあった。彼は男としての性欲もわかず、性的なことにも興味が持てない。学生時代には周囲に合わせて、嘘をついていた。職場では周囲の些細な冗談にもついていけず、かといって自分の思いも話せず、ストレスを溜め込んでいた。
ブルーの店主には妻があり、一人娘もいるが、妻は別の仕事をしていて、さらには別の男もいるが、店主は気にしていない様子。そんな店主に親しみを覚える鳴海。
普通の喫茶店だが、実は変わった性的趣味を持つ客もいることが鳴海はやがて知る。そんな彼らにも偏見なく、優しく接する鳴海は、彼らから打ち明け話を聞かされたり、相談事を聞くようになる。
そんな彼が自分の思いに正直に生きていく様子がたんたんと描かれた話。
正直、色々な性的趣味趣向に関して、偏見なく見られるかどうかは自信ないが、頭から否定したりするのはやめたいとは思う。