以前読んだ、怪異研究事始め、の続編。

上野の博物館の古蔵で、怪異の研究をしているトノサマの助手を勤める花岡イカル。マッチを使うことで、商家を騙そうとした行者の詐欺を見破ったことが縁で

、博物館見学に来た陸軍卿の大山と婚約者の国松に同伴することになったイカル。会津出身で、少女の頃に渡米し、大学を卒業したため、日本語が苦手な捨松と仲良くなる。

そんな大山と捨松の結婚後、互いの出身が薩摩と会津という仇敵同士のため、施錠を騒がせた。

そんな大山家には先妻の娘が三人いる。その大山家で最近、騒がしい幽霊が出て困っているので、調査をしてほしいという依頼が、捨松の兄からトノサマに。

娘二人が病で休学して、学業が遅れていることを機に、家庭教師としてイルカを大山家に行かせることを思い付くトノサマ。

外国ではポルターガイストといわれる害はないものの、騒がしい幽霊騒ぎ。どうやらそれが現実に起こっているらしい。二人の娘もまだ捨松にはなついていないし、少し頭がボケた老女清も働いている。誰もしっかり幽霊を見てはいないが、それぞれが気になる人を見かけている。はじめはとにかく知ったことをトノサマに報告していたイカル。

事態が動いたのは、老女清が外出先で殺されたことと、大山家の洋館に入った泥棒騒ぎがきっかけだった。

事件の方は、指紋鑑定により、出入りしていた悪党が捕まり解決したが。

幽霊騒ぎの原因は、江戸期の旗本屋敷に所蔵されていた名人鏡師が作った魔鏡だったが、トノサマが博物館に引き取ることで解決する。

捨松が少女の頃に着ていたドレスと靴を捨松にプレゼントされたイカルは、大山家の娘二人と写真撮影に参加。

以前に読んだ薬剤師・毒島花織の名推理シリーズに続く、新シリーズかな。

新宿で五十年以上続く漢方薬局てんぐさ堂。初代の祖父と父親が薬剤師として営んできた漢方薬局。祖父がなくなり、最愛の妻をすい臓がんでなくした父親が、気落ちして店を閉めると言い出したのに、反対したのは孫娘の奈津美。しかし、薬大を首席で卒業したものの、三回も薬剤師の国家試験に落ちた彼女。気を取り直して、薬剤師を雇い、店を改装して、専務としてがんばる。父親は名目は社長ながら、店には顔を出さず、賃貸物件の世話か酒飲みに出掛けるばかり。

しかし、意外と優秀な二人の薬剤師を雇えたうえに、新たに雇った宇月が特異な才能を持っていた。漢方薬だけでなく、文学などにも詳しく、さらに事故で手足に麻痺が残るものの、嗅覚に優れ、洞察力がある。そんな彼が、患者の悩みを聞き、漢方薬の相談をしながら、患者の不調や悩みをも洞察して、謎解きをする。

ドングリに悪い記憶を持つ、元女教師の老女。グルメレポーターがコロナ感染後に陥った味覚障害。長男のつとめとして、もうろくした父親を毒殺するようにいわれた定年近い会社員。庭にあるはずの毒草について宇月に質問する。

仕事をする気力をなくしたと思われていた父親だが、実は妻の病に気づかず、なくしたことで、薬剤師であることに自信をなくしていたものの、娘の頑張りを密かに蔭で応援していた。二人の薬剤は、実は父親がスカウトしたものだった。酒場で、漢方薬の説明をしたり、すすめたりして、店の客を獲得していた。

シリーズ化されるかどうかはわからないが、もっと読んでみたいものだな。

昨夜から降り始めた雨は、今日の昼過ぎまで降り続いた。夕方には晴れて、この先一週間は晴天続きらしい。


仕事帰り、市立図書館分館へ。

四冊返却。うち三冊は土日に読了したが、あと一冊は、読み始めたら既読とわかり、読まずに返すことに。

新たにまた四冊借りた。

今日借りた本


五十嵐貴久

「命の砦」

祥伝社、2020


「鋼の絆

ギンイチ消防士・神谷夏美」

祥伝社、202311


堂場瞬一

「聖刻」

講談社、2021


今村昌弘

「でぃすぺる」

文藝春秋、202309