12w0dの妊婦検診。

4週間ぶりの検診で、楽しみよりも不安の方が大きかった。

診察室へ呼ばれ、はじめての経腹エコーが始まる。

先生はまず心拍を見て問題ないと言い、次に胎児の体全体をエコーに映し出した。

そのとき素人目にも赤ちゃんの頭部が丸くなくて歪な形をしているのが分かった。
これはなんかおかしいと思ったけど、怖くてなにも聞けなかった。 

先生は5分くらいずっと無言で色んな角度から赤ちゃんを見たあと、
「うーん、○○さん、突然で驚かれると思いますが、エコーで見る限り赤ちゃんの頭蓋骨がありません。」と言った。


私は絶句して、
はい。としか答えられなかった。


先生は私を気遣いながらゆっくり時間をかけてこの病気について教えてくれた。

頭の骨が作られない病気のことを無頭蓋症(むとうがいしょう/むずがいしょう)という
お腹の外では生きられない
発症率は1000人に1人
頭蓋骨がないため子宮の壁に頭部がぶつかると脳が削られていき無脳症になる


そして先生は最後に、
「家に帰ってからネットで調べると無頭蓋症の原因は葉酸不足とたくさん書かれていると思います。ですが、これは色んな要因が偶然重なって発症する病気なので、お母さんが悪いとかお父さんが悪いとかではありません。自分を責めないでください」と言ってくれた。


その後、夫を呼んでもう一度先生の説明を受けて、一週間後に入院して中絶することが決まった。

12wを超えると中期中絶手術になり、子宮口を広げてから陣痛促進剤を使って出産する。
死産届提出や火葬も必要になる、出産一時金も支給されると知った。