決めれない人生ノープラン希さんのお話連載中です。
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いつも不安だらけ。やりたいこともないのに年齢だけ上がっていく。辛い時はスピリチュアル本を読んで不安を沈めていた八代希さん。
ある時、間違って私の著書を手に取ってしまって頭をぶん殴られたような衝撃を受け、ご相談にいらっしゃいました。
LINEアイコンを変え、メイクを習って服装も変えて婚活アプリに登録。同い年の浩二と付き合うことになりました。
浩二から心療内科に通っていること、精神病で休職していた過去も打ち明けられました。自分は非正規雇用、転職は、結婚は、将来の不安がどっと押し寄せます。
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浩二にも、転職したいことを話したら
「好きなようにするといいと思うよ。休みが少ないし、勤務時間が長くて希さんの体が心配だった。困った時は支え合おうね」
と言われ感激して涙ぐんでしまった。この人との生活をしていくためにも現状から抜け出そう。
2018年6月18日月曜日の朝。
まだ布団の中にいた希は下からドーンと突き上げるような振動で起きた。揺れてる!
Twitterの地震速報では震度6。
浩二さんは?
実家は?
店のスタッフは?
浩二から電話があった。
浩二「大丈夫?」
希「うん。電話ありがとう。私は大丈夫。そっちは?」
浩二「出勤するところで電車に乗る前でよかった。家の中ぐちゃぐちゃだよ」
希「分かった。片付け手伝いに行くよ」
浩二「余震あるかもしれないし、危ないからいいよ。家の中にいて。希ちゃんの家は大丈夫?」
希「うん。うちは何にも物がないから」
浩二「よかった!ご実家は大丈夫なの?」
希「今から確認するとこ。心配してくれてありがとう」
浩二「そりゃするよ。心配だよね。じゃ、はやく実家に確認してね。電話切るよ」
希「うん!」
自分の親まで心配してくれる工事の優しさが嬉しかった。
実家の方はそんな揺れは大きくなく、みんな無事だった。
お店は休業だろう。
職場の店は電話が繋がらない。
店長と従業員全員の安否確認メールを送信した。
店のSNSにログインして休業の配信をする。
まだ8時台で、本社もテナント管理室の電話が繋がらない。
車で通勤している希は防災袋を持って職場の様子を見に行った。ブロック塀が崩れていたり、割れたガラスが散らばっているところはあったけれど、信号も自動車も動いている。
店に休業の張り紙を出して、割れた食器の片付けをしながら9時になるのを待ち、本社に被害状況と従業員の無事と休業の報告をした。
「こんな時に落ち着いてて、八代君は手際がいいね。指示を待たずに迅速に対応してくれて助かるよ。自分の家は大丈夫なの?
余震があるかもしれないし、安全なところで待機して。
明日も休業になるだろうから、賞味期限が切れる水とか食材とか持っていってもいいからね」
「ご心配ありがとうございます。関西大震災も経験していますし、こういう時はやること決まっているので」
店の賞味期限が近い食材を持って、浩二の家に向かった。
こんなところで褒められるとは思わなかった。
今、街は非常事態なのかもしれないけれど、自分の人生はいつも非常事態で、安定なんてしていなかった。
続きはコチラ。最終話です。
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「読んでて似ていて。私も消去法で人生決めてきて計画立てられません」
「希さんのお話読んでいて考えさせられます」
なんて感想いただきました。
長い連載読んでくださってありがとうございます。