年齢=彼氏ナシの非正規・借金持ち・汚部屋のスピリチュアル依存女が彼氏を作るまで(6)

田町真奈美さんの彼氏ができるまでを連載しております。昨日のお話はコチラ

父親の事業失敗で貧乏な生活に。周りの子を「羨ましい」と思い、学校も職場も「こんなところ、私がいるところじゃない」と思ってなじめずフリーターになります。24歳で働きだした飲食店の次期社長に恋をします。スピリチュアル本依存だった真奈美さんは「私の思いはきっと通じる！」と彼に告白しますが婚約者がいるとフラれました。

その婚約者は、彼より年上で地味な女性でした。泣きながら店を出てそのまま退職。

なお、静岡在住という設定にしてますが本人は別の地方在住です。

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今日のお話は

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※Mote-Po発売記念イベントの写真です。ミスコン写真イメージで使いました。なつかしい！

悔しかった。見返してやしたかった。あんな女に！その頃「お茶娘」という地元の観光大使を兼ねたミスコン開催を知り、応募してみることにした。募集要項には昨年のお茶娘が載っているが全くかわいいと思えなかったので自分もいけると思ったのだ。

今度の勘はあたった。真奈美は14代目お茶娘に選ばれた。しかし、応募者15人中5人が選ばれたのでさほど狭き門でもない。

応募者15人中９人は上司や親の勧めで応募した大学生や公務員や市立病院の看護師。あとの5人は首都圏のミスコンでは入賞できないから静岡にきたミスコン荒らしのアラサーだった一般市民で自分から応募したのは真奈美くらい。

お茶娘の仕事はお祭りや観光イベントの参加や、表敬訪問する政治家などにお茶や花を渡すのが仕事。仕事内容によりけりだが、日当1万5千円〜3万円ほど。

普通に働いていたり大学に通うお茶娘はほとんど活動できない。フリーターだった真奈美はわりと出勤が多かったが1ヶ月収入は1ヶ月10万円程。

しかし、お茶摘み娘の着物を着て笑顔で写真を撮られてチヤホヤされると気持ちが良くなってしまう。政治家や有名スポーツ選手に会ったり身近にテレビ業界や広告代理店の人間も多くいた。外見がちょっとキレイな程度のフリーターも自分がその人たちと同じレベルと勘違いしてしまう。そのきれいな外見だってあと何年保てるか分からないのに。

お茶娘をやっていたら店長以上の男に見初められるかも知れない。実際に合コンの誘いは多かった。

その頃、リボ払いで全身脱毛を契約した。「月々無理なく返しながら一生もののキレイを」そう言われてフリーターお茶娘は契約してしまった。70万円だけど一生物の肌だし毎月1万円づつ返済なら生活のレベル落とさずやっていけそう。

よく合コン企画を持って来てくれるリーダー的なお茶娘は、東京から来ている女性は32歳である大学のミスキャンパスという経歴だった。

「すごいですね」

と真奈美がいうと、

「私なんて全然大したことないの」

といいながら顔が輝く。彼女は様々なコンテストで入賞するテクニックに長けていた。雑誌の読者モデルもやった経験があり立ち姿もスタイルもいい。持っている化粧品も高いデパートコスメ。

彼女は東京のミスキャンパスだけあって確かに垢抜けててキレイ。でも、なんか憧れない。

こんな30代になりたくないな。私は32歳なら普通に結婚して子育てしていたい。

真奈美はお茶娘を1年満期でやめた。33歳になっていた元ミスキャンパスのお茶娘はその頃北関東の「藤娘」と掛け持ちしていた。

「地元に大企業もあるしいい出会いあるかも」

なんてことを言っていたらしい。

各地のミスコンは運営者からお願いされてしょうがなく応募する地元民と、モデルやアイドルとして食べてはいけないミスコン荒しが立候補する仕組み。普通に就職するには若くない年齢だけれど、ミス〇〇の肩書が自分の価値を上げたように錯覚させる。広告代理店、経営者、マスコミ関係、大手企業会社員などと出会いながら誰かの専業主婦になろうとして自分に磨きをかける。みんな永久脱毛は当然のようにやっていた。

しかし、経済を動かす男たちにとってミスコン荒したちは女優より安く使えるホステス。「キレイだね」「カワイイね」というけれど本命彼女にしようという男はほぼいなかった。そんな仕組みに気が付けたのは真奈美がまだ若かったからだろうか。華やかだがハマってはいけない危険な世界だと気が付いた。

お茶娘を辞めてから営業事務である会社に派遣社員で入社した。

しかし、平均年齢40代の地味な会社で真奈美はすぐに飽きて辞めたくなった。

(明日に続く）

チヤホヤに依存するミスコン荒しの実態怖いですね。そんな世界があるなんて。