朝から晴れ間が広がり、気持ちの良い一日が始まった。

 


お昼前になると強い陽射しが照りつけ、汗ばむような夏日となった。

 

 

 

 

朝のルーティンを終えた後は、十一面千手観音像のオイルフィニッシュ塗装に取り掛かった。

 

 

先日の龍頭観音像と同じように、柿渋で着色した像にワトコオイルを刷毛で塗っていく。

オイルが乾かないうちに、ウエスで丁寧に擦り込み、木肌に馴染ませる。

腕が何本も伸び、頭上には小さな化仏も並んでいるため、刷毛を入れる場所も多く、思った以上に手間のかかる作業だ。

指など細かな部分を磨くときに、力が入り過ぎると破損するので慎重になる。

全体の仕上がりを確かめながら、この工程を繰り返していく。

 

 

柿渋の落ち着いた色合いにオイルが加わることで、木目が浮かび上がり、しっとりとした深みのある風合いになっていく。

彫り上げてきた像が、少しずつ時代を重ねた仏像らしい表情になっていくのを見るのは、仕上げ作業の楽しみでもある。