笠岡市でのお試し暮らし体験記⑥では、

⑤から笠岡市外のことを書いていたのでここで一度、岡山県といえば…の話を書いておきたいと思います。


 

早速ですが、岡山県といえばみなさんは何を思い浮かべるでしょうか?

で書いたように、正直私はこれまでの人生で岡山県について考えたことがほとんどなかったのですが

(失礼な話を申し訳ないです…)、その私の「岡山県といえば」はずばり「桃太郎」でした。



桃から生まれた桃太郎…日本で育った人でこの物語を知らない人はいないと思いますが

(今の若い・幼い人たちはどうなのでしょう…)桃太郎のモデルが

岡山県であることを知っている人はどのくらいいるのでしょう。

撮影し忘れてしまったので写真を載せられないのですが、

岡山駅前には桃太郎の銅像があり、また、岡山の空港は「岡山桃太郎空港」と呼ばれているくらいなので、

少なくとも岡山に縁のある人で桃太郎となんらかのつながりあることを知らない人はいないでしょう。

お土産品にはかわいい桃太郎のイラストやきびだんごなどが勢ぞろいなので、

その意味では有名な話の類とも考えられます。

そんな岡山県と桃太郎ですが、どんな由来やつながりがあるのか。

そのことについて、先日偶然『歴史探偵』という番組で「桃太郎」の会をやっていたので、

その内容を引用しつつ、桃太郎のことを書いておきたいと思います。


 

桃太郎の話はざっくり言えば、

桃太郎が仲間を引き連れて鬼が島に行って鬼退治をするという話ですね(雑過ぎ?)。

ということは、「鬼が島」という舞台が必要になるのですが、

『歴史探偵』によると、それは『鬼ノ城』(きのじょう)というところにあたると言います。

ここは「鬼の住処」と言われていて、岡山県の総社市(そうじゃし)にある城で、

日本百名城のひとつであり、小高い山の上に君臨しています。

今回私はそちらには行けなかったのですが…鬼ノ城はびっしとり城壁で囲まれているのが特徴で、

7世紀に築かれた城のようです。

城壁で囲まれていることからわかるように、

そこは当時のヤマト政権が唐の侵攻を怖れて防御を中心とするために築かれたものと言われます。

同時に、鬼ノ城のあった吉備はかなりの勢力を持っていたそうで、

ヤマト政権は唐だけではなく吉備の力も怖れており、

吉備に鬼ノ城を作らせることで力を分散し衰退させ、抑圧していったそうです。

それによりヤマト政権に吉備は敗れ、敗れた吉備を「鬼」と位置づけたとかしないとか…。

鬼が島の鬼退治の話は、勢力の強かった吉備を鬼として

ー「悪さをする」という位置づけにも置きー鬼ノ城がひとつの舞台とされています。

ちなみに、岡山ではこの鬼を「温羅(うら)」と呼んでいたりします。


 

一方で桃太郎は倉敷市にある楯築遺跡(たてつきいせき)を拠点として、鬼と戦ったと言われます。

鬼ノ城から弓を使って攻撃をしてくる鬼。

その矢を防ぐための楯となる巨石がここには点在しており(ここにも行かなかったけど泣)

桃太郎は応戦したといいます。

鬼ノ城と楯築遺跡とは10キロ近く離れているようですが、巨石で鬼の攻撃を防ぐことに加え、

桃太郎は二本の矢を同時に打つという戦法を取って鬼を対峙しようと試みました。

鬼は一本の矢を防げてももう一本の矢が当たってしまうことに参って、鯉に化けて逃げ出します。

それを追って鬼を実際に退治したとされる場所が鯉食神社という場所で、

これも倉敷市にあります(ここも行ってないという…これだけ語っておいて写真もなくてすみません)。

鬼(温羅)が吉備の勢力がモデルであったように、桃太郎にもモデルがおり、

吉備津彦命がそれにあたると言われています。

岡山市に吉備津神社という神社があるのですが、名前の通り、この神社のご祭神が吉備津彦命で、

悪さをする(とされた)鬼(温羅)を退治しようとする吉備津彦命(桃太郎)という構図が

誰もが知っている桃太郎の伝説としてモデルとなったそうです。

(以上は『歴史探偵』より、うろ覚えなのをご容赦ください)。


 

桃太郎の話を聞くと、なんだか「ありがちな話」という印象ですが、

実はこうした史実に基づいて生まれているところがあるようで、

それを知るとまた見方が変わっておもしろいなと感じます。

また、地理的なものを知ると、たとえば桃太郎が入っていた桃が流れてきた川は高梁川?なんて思ったり、

きびだんごは「吉備」だから?ということを思ったりと、

いろいろ想像が膨らみます(事実は調べていないのでわかりません)。

ちなみに(あとで書きますが)岡山はフルーツ王国で、桃もとても有名です。

桃太郎の桃は少し先がとがっていますが、それは古代ヤマトで育ったモモであるようで、

桃には邪気を払う力があるとも言われていたそうです(『歴史探偵』より)。

そのことと桃太郎伝説とのつながりまではわかりませんが、

岡山で桃が名産になっているというのは、なんだかおもしろいなと感じます。

さらにちなみに言えば、岡山の桃はひとつずつ袋をかけて育てられると言います。

桃は傷つきやすいためにそうしているそうで、岡山は「晴れの国」と言われ、直射日光がかなり強いのです。

私がお試しさせてもらった約2か月間もほとんど雨が降りませんでした。

桃を包む袋は直射日光のダメージを防ぐ意味合いがあり、それがかえって白い桃を育てていると言います。

桃太郎の桃はピンクですが、本当は真っ白な桃が川を流れてくる方が正しいのかも?

そんな風に想像をかきたてられながら、桃をほうばった話を次回したいと思います()