これまでお試し暮らし体験記@愛媛県東温市と称していろいろ書いてきましたが、

気がついたら㉛となっていました。ちょうどひと月(二か月の経験でしたが)ということで、

これで一度東温市編は終えたいと思います。

東温市編ラストは東温市での生活と感謝、

そしてやっぱり危惧される(全国どこでも)災害のことについて書いておきたいと思います。


 

二か月の東温市での「生活」ーそもそも西日本での生活ー体験というのは、

私の人生で初めての体験であり、本当に充実した時間でした。

行政の担当者の方々や地域でお世話してくださった方々をはじめ、

本当にみなさまのおかげで夢のようなと言っても過言ではないくらい、

楽しい時間を過ごさせていただくことができました。

いろいろ書いてきたつもりではありますが、

東温市で食べたおいしいものを最後に載せておきたいと思います()


 

以前書いたことがありましたが、東温市のイチゴ。



毎日のようにいただくことができ、甘くて本当おいしかったです。

冷凍しておくとなお甘くなって贅沢な日々でした。


こちらは『さくらの湯』のレストランにていただいたとろろご飯。



さくらの湯に入った後にいただくのは健康まっしぐらでした。

 

個人的にまた行きたいお店ナンバーワンは七里茶屋さんで、

そこの肉うどん、鍋焼きうどんはもう本当最強でした。




 

ネジマキカフェさんは平日なのにこの行列。




それもそのはずのおいしさと栄養バランスの取れた食事で大満足です。

 

野村町のかき氷も抜群においしかったですが、東温市のイチゴ日和のかき氷もおいしくいただきました。





お店ではないですが、まめっこ弘法茶は甘めの紅茶で冷やしても温めてもおいしいです。



有名どころを載せれば(と言ってもこちらにくるまで知りませんでしたが…)

五色そうめんもおいしくいただきました。



五色そうめんは今年で300年となるようで、日本で初めて色麵を取り入れたそうめんと言われています。

がっつり友近さんがCM出ていて笑いました笑

様々なお味を楽しめるので、お子さんは見ていても食べていてもとても楽しいのではないかと思います。

個人的にはもち麦うどんがおいしすぎて、リピーターになりました。



松山市に本店がある?かもなので厳密には東温市ではないですが、

りょう花と芯世界のラーメンもおいしくいただき、




これも松山市になりますが松山市発祥の(これも知らなかった…)鍋焼きうどん(2割引きがご愛嬌です笑)も、

松山市&宇和島市の名物ですが愛媛と言えばの鯛めしもちゃんと堪能しました。





あっあと、東温市のお隣の久万高原町のねいろ屋のラーメン(ローカル番組で宣伝していて行きたくなった)も

やさしいお味で本当おいしかったです。



他にもいろいろ、いろいろ、いろいろとあるのですが、写真と合うのは()このようなところになりそうです。

載せてみると麺ばっかですね笑

大真面目に言うと、やはり西日本、うどんが本当においしいなと感動していました。

みかんジュースや鯛めしは気合いを入れて食べた感じはありますが()

二か月の生活ができれば、無理なく、

これだけ多くの地域の食事を知ることができると知れた・体感できたことは貴重な経験でした。

住むところが変われば食事も変わるのはその通りでしたが(もちろん変わらないものもありますが)、

食事は生活の上で当然欠かせないものであり、具体的にそのことを感じられたのはありがたかったです。

何より、地元の人に本当によくしてもらって、

様々なお菓子やお野菜などをいただいたり、

ご自宅に上げていただいたりしてしまう経験ができたことは、

実際に住まないと絶対にできない経験で、感謝ばかりです。

バタフライピーというのも教えてもらって楽しい時間を過ごしたなぁなどと思い出したりしています。





もう本当に何から何まで感謝でしかなく、東温市は大事な町になり、

これからもなり続けるだろうと思っています。


そんな町が今後も豊かに在るように…と思う時に、私の頭によぎるのはやはり災害のことです。

災害はいとも簡単に町を壊し、そしてその後の人災が地域の空間を壊していくことを知っているからです。

ホタルの時にも書きましたが、自然災害で失われるものがあることは避けようがないのですが、

人の手によってきれいな風景(無形のものを含め)が失われてしまわないといいなと思い…

この体験記は万が一があったときにどう復興していくかの糧にほんの少しでももしなったら

それ以上ありがたいことはないと思って書いてきたところも実はありました。


最後の記事が災害なのは暗い感じもあるかもしれませんが、

あまり触れたがらない話題でありつつ大事なことなのでしっかり書いておきたいと思います。

これも今まで書いてきましたが、東温市は本当に災害が少ない地域であるようですが、

災害の警告自体はずっとされているようです。


 

東温市の『防災マップ』愛媛大学防災情報研究センター長の矢田部龍一氏によれば、

東温市の地下には日本でも第一級の活断層である中央構造線が東西に走っています。

もし南海トラフ巨大地震が発生すれば、震度6強の強い揺れに襲われます。

また東温市に広がる平野は、重信川で繰り返し発生した土石流堆積物により形成されたものであり、

そのため、いつ東温市を壊滅させるような大規模地震や気象災害に見舞われても不思議ではありません

とあります。

南海トラフは東日本大震災以上の被害をもたらす可能性があると言われ、

近いうちに起こりうるとずっと言われていますよね。

でも(毎日生きていくのに必死ということもあると思いますが…)

どれだけそのことに取り組むことができているでしょうか。

自治体ごとにそこで起こる災害に備えるのはもちろんですが、

いつ自分たちが支援をする、あるいは人々を受け入れる立場になるかについても

考えておく必要があるだろうと私は思っています。
 

また、

松山平野は東温市周辺の山々からの膨大な土砂でできており、

東温市の北川は地質的に「和泉層群」という壊れやすい岩石の層になっている。

南側には中央構造線が挟み「久万層群」があるが、これは地滑りの本場で、

年間1200ミリ~1400ミリ、日雨量で300400ミリの雨が降ったら大災害になる。

たまたま何百年という期間、土砂災害を引き起こすほどの雨が降っていないだけで、

数千年単位で見れば大量の土石流が溜まっている。

もし東温市の上に積乱雲が居座り雨を降らせば、ありとあらゆる沢から土石流が出て大洪水になる。1000年に1回、2000年に1回はあると考えると、そういうシナリオになる可能性はゼロではない。

重信川の本川はダムがないため、雨が降ったらそのまま雨水を流すしかない。

ダムで制御できない川は本当に恐ろしく、昔は土石流が松山平野を埋め尽くしている。

松山平野とは基本的に土石流で埋まった谷であり、大量の雨が降ると怖い場所である。

ともあります。

 

以前『東温市の地名と地形・地質について』の講演を聴講し、

東温市の特徴として水に関する地名が多いという話を書きました。

そこではこの記述と同じように、水害・土砂災害についての警告がされていました。

たとえば、

(東温市に限らずだけど)水田をつぶして山を崩して都市化してきた。

昭和40年ころから安い家を人々は買うようになっていった。重信川の周辺に昔は家をつくらなかった。

という話や

戦時中は薪が燃料であったためどんどん山は禿山になっていき保水力がなくなり、

重信川はよく氾濫した(それが東温市の地名に水が多い理由の可能性がある)

という話もされました。

『防災マップ』の記述同様に

重信川はもう少し雨がとなれば崩れるだろう。危機一髪難を逃れているというのが正確。

といったリアルな話もされていました。

重信川の氾濫については、それが相次いだことで除ケの堰堤が建てられたと知りました。





それによって水害・土砂災害を防ぐことに成功しているようですが

言うまでもなく、人間の力は万能ではありません。

気候危機で異常気象が毎年のように続いている中で、年々その危機は迫っているように思います。

講演の中で興味深かったのは、

「肱川」の「ひじ」は肘ではなく土だっただろう。

「大津」という地名も「大洲」とされたりして、

これらは政治がらみで権威付けでつけられた名前だろう。

といった類の話でした。

人間の事情でつけられた地名も実際には存在し、

それがかつて災害があったことを隠してしまうケースもあることは、

多くの人が知っておられることかと思います。

繰り返しますが、人間の力は万能ではありません。

異常気象が相次いでいる中、それを「隠し通す」ことは無理だろうと思います。

災害が起こらないことを願うのはもちろんですが、

どうか(すでにされているところも多く見させてもらいましたが災害は進化し続けるのでその意味で)

今後も対策が考えられていくといいなと願うばかりです。

当然、ご協力できることはしていたいとも強く思います。

 

最後は長々と、そしてやや厳しい現実についても書いてしまいましたが、

大事にしたいと思える町・縁をいただけたことに深く深く感謝していることが伝わればうれしいです。

今後も移住先・多拠点生活先として検討させていただき、大切に思い続けていたいと思います。

お読みくださった皆様にも感謝します。

引き続き、西日本を中心に新天地を探せたらと思ってはいたので、

体験記自体は書けたらと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。