柏レイソル 3 - 3 浦和レッズ
合計6点も入った試合は互いに多くチャンスをつくって、見る側としてはとてもスリリングで面白い試合でした。
ただ、浦和の失点シーンに象徴されるように、残念なミスからのゴールもあり、ミスを逃さないしたたかさは感じられても、極上の試合ではありませんでした。
ミスはありましたが、浦和は誰かのミスをカバー出来るチームになりつつあります。
特に武藤、関根の両選手は今シーズンの浦和を勢いづけている選手として、今年一年の活躍が楽しみです。
ただ、彼らのような選手が出てこれたのは、浦和からチームとしてのまとまり、ベースがようやく出来上がったから、であるように感じます。
サッカーはチームスポーツで、個性の集まりだけでは勝負どころで勝てない。
そんなサッカーの難しさを体現していたのが昨年までの浦和でした。
ただ、今年は西川、槙野を筆頭に、阿部、那須、森脇などチームを支えるポジションの選手たちの活躍があって、攻撃陣を支えているように感じます。
いい選手を寄せ集めただけではない、そんな雰囲気があるように思います。
ただ、ようやく浦和が作り上げたものこそが、相対した柏の強さの理由であるようです。
それは前監督のネルシーニョが築いた部分もありますが、充実した下部組織から選手を育成してきた、という連帯感の強さが柏の強さなんだと思います。
ACLのようなタフな闘いで浦和が勝ちきれない一方、柏が闘い抜けたのは、チームとしてまとまっている、それ以上の連帯感、一体感があるからでしょう。
鹿島が伝統的な強さをつくりあげたのはリーグが出来てから連綿とその土壌を受け継いできたからであり、連覇をした広島、三冠のガンバにも育成の充実といった、地道な努力の結実があるように思えてなりません。
Jリーグが世界的に見て、トップリーグではありません。
選手はヨーロッパに引き抜かれる時代はしばらく続くでしょう。
ただそれは、ヨーロッパにはサッカーが文化として根付いているから。
日本も地道な努力を続け、サッカーの魅力を広め、選手たちに少しずついい環境を用意出来るようになれば、確実にヨーロッパに近づけます。
話が少し脱線しましたが、サッカーはチームスポーツであること、一体感が無ければ勝利を手にするのが難しいこと、そんなサッカーの一面を教えてくれる試合でした。