坂本龍一さんのラジオ番組『RADIO SAKAMOTO』にジャンル違いの私が、デモ音源を送るなんてブッ飛んだ発想、私が素人だからこそ出来たことだったでしょう。世界を股にかけて活躍する巨人に、ちっちゃいアリンコが絡みに行ったようなものですから。
でも巨人は、なんと6度も、こんなアリンコを手のひらに乗せてくださったんです。
【坂本龍一ラジオオーディション6回入選】という手書きの、アングラな私の写真入りポスターを見かけた人、手を挙げて〜!
・・・主に奈良・ならまち界隈で見かけましたよね?
その手書きのアングラポスターはお社長の手によるものです。私ね、一応、クリエイティブ界に身を置いてるものですから、あのアングラポスターはセンス無さすぎのシロモノ、やめてくださいと何度も何度もお願いしました。
...が、ダメでした。
「手書きだからいいんだ」
お社長の意見も一理あるけどさ、やっぱりみっともないんですよ、書き殴りは。いやさ、百歩譲って、あのアングラポスターはインパクトあるから、効果はあるにはあったんですけどね。
ポピュラーやクラシック音楽にまったく関心のないお社長、件の『RADIO SAKAMOTO』というラジオ番組を聴いたこともないし、内容をも想像すら出来ていないはずで、もしも、お社長が『RADIO SAKAMOTO』という前衛的な音楽プログラムを知っている人だったら、私などに歌手になるよう懇願することはなかっただろう。
私もお社長も音楽に対して「子ども」だった。子どもだから恥ずかしげもなく、強気に、ぐんぐん突き進むことがで来たのですよ、51歳からの遅すぎるスタートの歌手は、ね。
変な自信しかなかったなー。ハイハイが出来て、つかまり立ちが出来て、ひとりで歩けて、走れるようになって、そんな成長しかない赤ん坊のごとく、前を見てたのは失敗を失敗とも思わないツラの厚さもあってのこと。
YouTube「坂本龍一さんのデモテープオーディションに入選した時のポッドキャスト録音」
<つづく>