母の奇跡 |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

 

カラオケ大会に出演時の父。

軽くコスってるw

 

ここから本編。

暑すぎる日が続いていますが、お元気でしょうか。私は暑さには強い方なので、おかげさまで元気です・・・が、あまりの暑さにお外に出るとヘタレてしまうことも。でも銭湯に行けば元気回復、そんな真夏を過ごしています。

 

あつ〜〜っ!!!

 

 

さて、私の母のことです。

 

昨年の12月、交通事故に遭い入院生活を続けていた母ですが、7月の末に退院することができました。ご心配いただいたみなさま、がんばれと応援してくださったみなさま、ありがとうございます。現在、母は実家で静養中です。ベッドにいることが多いようですが、母も外に出て歩いてみたい、美味しいもんをもっと食べたいとヤル気を出しています。

 

入院したと聞いた時、翌日にライブを控えていて、母の元に駆けつけられず、このまま逝ってしまったらどうしようかと眠れませんでした。でも、死目に会えない人の方がきっと多いんだろう、そんな気持ちとあわせて、ここで終わりにする母ではない、ふたつの気持ちが私の中にありました。

 

母は奇跡です。医師からは車椅子生活は決定と言われましたが、杖をつきつつも歩いています。トイレにも一人でいけます。右足複雑骨折、内臓破裂、胃がん、感染症、食道がん。がんばりました、母。8ヶ月の入院生活で8度の手術。一度だってたいへんなのに、70を過ぎた母がそれに耐えたのです。食道がんの治療が一番辛そうでした。鬱になってましたし、あの夏の太陽のように明るかった母が、副作用で。

 

抗がん剤、放射線、辛いとはきいてましたが、母の痩せ方と精神面の暗さを見て実感しました。がんの治療は西洋医学だけでなく、他にも東洋医学やホメオパシー、食の改善などの選択肢があって、私はそちらの方を支持してる。でも母や身内はどうなのかというと、一般的な病院での治療を望んだ。本人の意思もさることながら、私の主義よりサポートする側の身内の意思も尊重する必要があるわけで、私らの空気感は病院での治療を続けることに流れていった。家族にできることは、人生はまだ捨てたもんじゃない、楽しいことがあるよと明るい空気を作ること。

 

奇跡は父にも。

 

母が病床に伏せるまで、家事の一切は母の仕事。炊事も掃除も洗濯もできない父が人生初の一人暮らし。奈良から京都・亀岡に通って父のお世話をしていた私ですが、どうしても帰れない日が続き、父を放置したら…やがて家事の一切をできるようになった。やったらできる人だったんですね。やってもできない人だっているでしょうが、父はご飯も作れるんですよ〜。これって奇跡! 以来、私は父からの「これどーしたらいい?」というメールに答えるだけになった。今や父は立派な主夫に!

 

ところがある日、そんな父までも疲労から入院してしまった。目の前が真っ暗になった。その時は妹が大活躍してくれたので、父は一週間で退院。父はその期間、入院生活の辛さと寂しさをひしと感じたという。身をもって母の長い闘病生活の辛さが分かった父は、以前より母への接し方が優しくなった。結果的に父の入院も良い方向になったのだと思う。

 

ひ孫が入院中の母と同じ病院で生まれたのも奇跡でした。赤ちゃんが放つキラキラしたオーラに「もっと生きたい」という意地が生まれたようです。

 

母が入院して以来、SNSを通じて私は母の経過を報告してきました。それは、私の周りにご家族が入院されてたり、介護をされている方が多いから。私の母はこんな状況ですよ〜と発信することで何らかの慰めになればという想いからでしたが、私自身もコメントを頂いてとても励まされました。

 

 

人は誰でもやがては死んでしまう。順序からいくと私より母の方が先。その日がいつなのか、神様だけが知ってること。そんな思いを持ちつつ、医者も見放した母の入院から退院までの8ヶ月間、私の家族は「また みんなで実家に集まってスキヤキ大会をしよう」という小さな目標が必ず達成できると信じてた。それが母の特効薬だったかどうかわからないけれど、病院ではよく食べ物の話をしてたました。退院したら何食べたい? とか、どこのお店で何を食べたいか…。抗がん剤の副作用がもっともキツかった時は、「サイテーの状態やけど、強いていうなら今。食べたいものってある?」「・・・スイカや」とか。

 

強く感じるのは、病気治療にしろ、健康にしろ「正解」はないのだろうということ。私の母はたまたま奇跡が重なって退院できたのでしょうね。

 

3ヶ月後、母には検査入院という地獄がまたも待ってます。その時まで両親のいる家で、なるべく多く一緒に食事がしたいし、その時間を大事にしたいと考えています。私たち家族の小さな目標だった「みんなで集まってスキヤキ大会」は今月中に実現しそうです。

 

りんご