春近し古都の道行き |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

◆ cinemazoo-御松明1
東大寺二月堂にあがったお松明。


3月です。
奈良では東大寺二月堂で修二会 本行が始まりました。
「お水取り」として各メディアで紹介されるこの行事は、
一日だけでなく、2週間に渡る仏教行事。
ということを知ったのは奈良へ引っ越した後でした。
それまでは、春をお迎えする祝祭だと、
ずーっと思っていたんですね。

迫力あるお松明が火の粉を散らせる様子を
報道でご覧になった方も多いと思いますが、
以前の私はそれを見るにつけ、こう思ったものです。
「お水取り」なのに、なぜ炎なんだろう?

◆ cinemazoo-火の粉
お松明。ナイアガラ火の粉。


「お水取り」という行事は、
本当にお水を取ることを言います。
12日の深夜未明にそれはそれは神秘的に。

どこからか取るのかというと、二月堂の若狭井戸から。

二週間の期間のうちの一日だけ行なわれるもので、
その夜だけは特別に“籠の形の松明”が二月堂にあがるため、
報道では絵的に華やかな一日にスポットをあて、
「本日は『お水取り』が行なわれる日です」
そう伝えられてきたのでしょうか。
奈良の地元の人でも、一連の行事が
12日だけと思っている人がいるようで…。
よって、12日は見物の人で大混雑するんですね。
私は恐ろしくて近づけません…。

若狭井戸からお水を取る「お水取り」は
東大寺HPのこちら
詳しい説明があります。
実際に私も「お水取り」を見たことがあって、
そのときのブログが『深夜の秘儀、物語風』です。

たぶん、「お水取り」というより、
修二会 (しゅにえ) と呼んだ方がいいんでしょう。
あまり馴染みのない言葉ですが、
さだまさしの唄にもありますねぇ、『修二会』。
You Tube がこちらにございます。
この唄で私も学ばせていただきました。

で、お堂に表われる迫力満点のお松明はですね、
巨大です。一日平均10本がお堂にあがり、
堂下でお参りしている者が、
その火の粉をかぶれば厄よけになると聞きましたので、
縁起物なんだ~と、奈良移住以前の私は思ってましたが、
本来のお役目はお坊さんが二月堂に入堂される際に使われる、
道案内のための明かりなんですね。

修二会は東大寺のお坊さんの修行です。
修行にあたる11名のお坊さんを練行衆といい、
二月から準備と前行が清々と進み、
3月1日からの二週間が本行 (それが今進行中)
そして、明くる15日が満行。

と、ここまで簡単に修二会をまとめてみましたが、
まぁ奥が深いです。数々の儀と伝説に満ちている。
若狭井戸の伝説、「神名帳」、「過去帳」の読み上げ。
「青衣の女人(しょうえのにょにん)」の物語、
ダッタン、走りの行、今年で1261回目を数えること・・・
まだまだ、まだまだ・・・。

◆ cinemazoo-御松明2

初めてこの目で見て以来、
私は魅入られてしまった。
修二会という懺悔と祈りの行に。
その歴史や知識をもっと得たい、
学びたいというよりも、
己を悔い改め、祈ることこそ、人が人らしく、
穏やかに慎ましくいられるのではないか。

3年前、ひとりやってきた奈良の地で、
初めて見た修二会の夜。燃えるお松明。

盛る炎が生き物のようにうごめくのを目にした時、
文明にまみれて生きる私たちにとって、
言葉では言い表せない“祈り”と“心”を伝えることこそ、
『新しい道行き』ではなかろうか・・・
あの日のあの想いを、再び思い出すべく、
今年も修二会が始まった二月堂へ
さっそく初日にお参りした私です。

◆ cinemazoo-笑顔
笑顔が浮かんでるように見えませんか?
修二会参拝後、大仏殿南大門あたりにて。


春本番は目前。
日々を、丁寧に暮らしたいものです。


クローバー 東大寺二月堂修二会
お水取りとして名高い不退の儀式についての説明があります。

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土日祝のみオープンする5*SEASONの常設ギャラリーですが
1年間お休みしようか、どうしようか、うーん、うーん。

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